別々に行われた2種類の研究によると、硫酸によって汚染されていないクリーンな大気中でも、煙霧質(zhì)(エアロゾル)が形成されるという。この発見は煙霧質(zhì)の形成に関する新たなメカニズムを提起し、「化石燃料の排出は、大気中の煙霧質(zhì)形成の必要條件」という伝統(tǒng)的な理論を覆した。人類活動の気候変動に対する影響は、これによって見直されるかもしれない。科技日報が伝えた。
大気中の煙霧質(zhì)とは、大気中にある固體?液體の浮遊粒子狀物質(zhì)の総稱で、成分によって砂塵煙霧質(zhì)、炭素?zé)熿F質(zhì)、硫酸塩煙霧質(zhì)などに分けられる。大気科學(xué)研究の世界では、大気中の粒子狀物質(zhì)の代わりに煙霧質(zhì)という言葉を使用する。煙霧質(zhì)は人の健康を損ねるほか、視界、降水、放射、および雲(yún)?霧?煙霧の形成と直接関連している。
大気中の硫酸の大半は化石燃料の排出分で、これまでは煙霧質(zhì)を形成する必要條件とされていた。しかし日中はその濃度がとても低く、観測された煙霧質(zhì)の生成速度を説明できない。そのため多くの人は、高度に酸化されたバイオマスなどが、新たに形成された硫酸塩粒子狀物質(zhì)の安定を促すと考えていた。科學(xué)者らは、煙霧質(zhì)がいかなる硫酸の力も借りなくても形成されうるかを調(diào)べようとしていたが、これまでの研究ではこの汚染物を排除することができなかった。
歐州原子核研究機構(gòu)(CERN)のジャスパー?カークビー氏が率いるチームは、同機構(gòu)の中心汚染密度が極端に低い部屋(CLOUD)で、この実験を試みた。その結(jié)果、硫酸汚染がなくても、高度に酸化されたバイオマスがあれば、煙霧質(zhì)が形成されることが分かった。ネイチャー誌に掲載された論文によると、この過程は宇宙線粒子がこの部屋に入ったことで生じた。これらの結(jié)果は、低汚染環(huán)境における、煙霧質(zhì)の潛在的な多くの出処を明らかにした。
同誌の別の論文も、この部屋で行われた実験について報告した。スイスのポール?シェラー研究所の研究チームは、揮発性が極端に低い有機系バイオマスが、硫酸がない狀態(tài)でも粒子狀物質(zhì)を増やし、さらに高揮発性の有機系バイオマスがこれに介入し強化することを発見した。この発見を世界の煙霧質(zhì)模型に使用すると、大気全體の雲(yún)凝結(jié)核濃度の大幅な変化が生じる。(編集YF)
「人民網(wǎng)日本語版」2016年5月26日