自分だけのオリジナルを求めて、中國の若者たちの間で広がりを見せるハンドメイド。今回は北京で羊毛フェルト作家?インストラクターとして活躍する矢野玲子さんをご紹介したい。(北京滯在歴8年)
子供の頃から編み物が好きだったという矢野さんは、友人とタイに旅行に行った際も大好きな毛糸屋が目に止まった。「こんな暑い國にも毛糸が?」興味本位で店內に足を踏み入れてみると、毛糸以外にも羊毛の塊が売られているのに気づいた。羊毛フェルトと初めて出會った瞬間だった。「編み物だと、途中で失敗してやり直しになるたびに挫折しそうになるが、羊毛フェルトはいつどんな段階でも簡単にやり直すことができ、それが自分の性格にフィットしてどんどんその魅力にはまっていった」と矢野さんは振り返る。
北京での暮らしを意識するようになったのは、オリンピックで賑わい活気付く2008年のことだった。母親が北京生まれで、學生の頃に北京で過ごした経験があることも、再び北京で暮らしてみたいという思いを掻き立てた。「羊毛フェルトを通じ、ハンドメイドの魅力を中國で伝えながら、自分らしい活動ができないか」と、矢野さんは當時勤めていた広告會社を辭めて中國に渡り、羊毛フェルト作家?インストラクターとして中國人との交流活動を始めた。