福島県飯館村の村役場(chǎng)前には、何やら物々しい放射線量測(cè)定器が設(shè)置されている。わずかな汚れも見當(dāng)たらない表示板には、「毎時(shí)0.38マイクロシーベルト（μSv）」という數(shù)値が赤字で表示されている。ここから東京電力福島第一発電所までは、約40キロメートルの距離がある。新華社が報(bào)じた。

物理學(xué)が専門の田尾陽一氏は、表示板を見ながら、「この數(shù)値は異常に低い」と吐き捨てるように言った。そして、近くにある目立たたない測(cè)定器を指差し、「あれは我々が設(shè)置した測(cè)定器で、地面付近の放射線量は、この數(shù)値の8倍から10倍に上る」と続けた。

田尾氏は、このような現(xiàn)実と、「原発事故の影響は有限」「事後処理は順調(diào)に進(jìn)んでいる」などの日本政府による宣伝文句との間には、あまりにも著しい差があると感じている。同様の疑念や憤慨の気持ちを抱いている人は、田尾氏以外にも數(shù)多くいる。特に福島では、深刻な損害を受けた人や、助けを求めようにもその方法がない人が後を絶たない。

今年は福島原発事故から丸5年、チェルノブイリ原発事故からちょうど30年の節(jié)目の年にあたる。チェルノブイリ原発事故については、國際的な各種調(diào)査や記念行事が絶え間なく行われている。だが、同じ國際原子力事象評(píng)価尺度（INES）の「レベル7（最も深刻な事故）」であっても、福島原発事故に対する調(diào)査は、常に薄いベールで覆われている感が否めない。

福島原発事故の処理狀況が人々に與える印象は、「著しい差」という単純なものだけでは済ませられない。真相がないという「真相」の裏には、いったい何が隠されているのだろうか？