中國人民銀行(中央銀行)がこのほど発表したデータによると、中國の11月の外貨準備高は前月比872億2千萬ドル(1ドルは約122.4円)減少して、2013年2月以降で最低の3兆4380億ドルになった。國際市場では再び人民元切り下げに関するさまざまな憶測が飛び交っている。「國際商報」が伝えた。
米國紙「ウォール?ストリート?ジャーナル」がこのほど紹介したスタンダードチャータード銀行の丁爽エコノミストの見方によると、人民銀は11月に500億ドルの外貨準備を売卻し、人民元の急激な下落を防いだ可能性がある。殘りの減少分は米ドルレートの上昇によって人民銀がもつドル以外の通貨の資産の価値が目減りしたことが原因だという。
丁エコノミストは、「人民銀は人民元の急激な値下がりは望んでいないが、市場のパワーが人民元の通貨価値を徐々に引き下げることには期待している」と述べた。
今月1日、國際通貨基金(IMF)は2016年10月1日から人民元を特別引出権(SDR)を構成するバスケット(通貨バスケット)に採用することを明らかにし、人民元は米ドル、ユーロ、英ポンド、日本円とともに世界の主要備蓄通貨になった。
だがこの情報が伝わると、一部の投資家の間では、中國が人民元の通貨価値を守ろうとしなくなるのではないか、人民元を流れのままに値下がりさせて経済発展を喚起しようとするのではないかとの懸念が広がった。「ウォール」紙は、「中國経済の成長ペースは過去25年間で最低の水準になる」と報じた。
だが一部の経済學者は引き続き、「中國には人民元の値下がりを制限する理由がある」と指摘する。英國の資本運用會社キャピタルエコノミックスのエコノミストは研究報告書の中で、「人民元の値下がりは中國の輸出競爭力をいくらか上昇させることができるが、人民銀は元の値下がりがこれまで進めてきた人民元國際化の効果を殺ぐのではないか、また中國経済が消費駆動型の経済へと転換するプロセスを遅らせる可能性があるのではないかと懸念しているのかもしれない」との見方を示した。