米國のペンス副大統(tǒng)領(lǐng)はこのほど発表した対中國政策についての演説は、歴史的事実の間違いや論理的間違い、引用のミスなどが多々あり、おかしいところだらけで、中國のインターネットで次々に「神反応(絶妙な反応)」を引き起こし、「中國國民総笑い」の効果を上げた。だが演説の隨所にみられる「中國の発展や強(qiáng)大さは米國の支援によるもの」というどこからくるのかわからない謎の自信には警戒が必要だ。たとえばペンス氏は、「中國を世界貿(mào)易機(jī)関(WTO)に加盟させた」と言い、中國が世界2位のエコノミーになったのは、「米國の対中投資のおかげによるところが大きい」と言い、さらには「米國はこれまで25年にわたり中國を再建してきた」と言ってのけた。(文:賈晉京?中國人民大學(xué)重陽金融研究院院長補(bǔ)佐。人民日報(bào)海外版コラム「望海樓」掲載)
相次ぐ誤り、混亂した論理、中米関係を正確に理解していないこの演説は、世界観に問題ありと言わざるを得ない。中國が発展して強(qiáng)くなったことは何によってもたらされたか。米國はそこでどんな役割を発揮したか。これは過去約40年間の世界情勢の変化をどのようにみるかという大きな問題に関わってくる問いで、歴史と世界との2大座標(biāo)の中におくと答がはっきりみえてくる。ペンス氏が中國の発展は米國のおかげと言うのは、まったく荒唐無稽だが、これは米國世論の一部を代表する見方でもある。これに対し、私たちは事実を列挙し、道理を説き、こうした誤った見方の根源を追求し、誤りの背後にある荒唐無稽な世界観の本質(zhì)をはっきりと認(rèn)識しなければならない。
現(xiàn)在の世界で、中國は古代文明國が復(fù)興の道を探っている代表例といえ、米國は若い國が超大國になった典型例といえる。中國の改革開放スタート以來40年間にわたる高度成長は、世界経済という外的要因と不可分だが、中國共産黨が中國國民を奮い立たせて行動(dòng)し、努力し続けてきたことこそが、決定的な役割を果たした內(nèi)的要因だ。中國が「豊かになった」のは、経済グローバル化のプロセスの中、中國が米國を含む世界と相互に促進(jìn)し合い、共に利益を得たことの結(jié)果であり、誰かが一方的に恩恵を與えたわけではない。第二次世界大戦後、米國は國際経済構(gòu)造を形成し、経済グローバル化プロセスをスタートする上で多大な貢獻(xiàn)を行い、これにより國際ルールの主要な制定者になり、數(shù)十年にわたり世界最大の市場國の地位を保ってきた。だが米國の権力をもったエリートがこれにより自分たちのことを國際ルールの「審判員」だとみなし、世界経済の「中樞」だと考えるようになったなら、時(shí)代が分からない幻覚に陥っているに違いない。
世界の多くの國?地域と同様、中國の開放拡大により、米國はより大きな市場を獲得したのであり、長年にわたり中國から高品質(zhì)低価格の商品を大量に輸入してきた。米國の伝統(tǒng)的産業(yè)の代表である自動(dòng)車産業(yè)と新興産業(yè)である攜帯電話産業(yè)を例に挙げると、2017年に米ゼネラルモーターズ(GM)は中國大陸部で404萬臺の自動(dòng)車を販売し、同年の世界販売量は890萬臺だったので、中國市場だけで45%を占めたことになる。米アップル社は18年第3四半期の決算によると、18年上半期の純営業(yè)収入は1144億ドル(1ドルは約111.9円)に上り、このうち大陸部と臺灣?香港?澳門(マカオ)地區(qū)は225億7500萬ドルで19.73%を占め、アップルにとって最大の海外市場だった。こうした例からわかるのは、米國の自動(dòng)車産業(yè)も攜帯電話産業(yè)も中國市場から多大なリターンを得ているということが分かる。だが別の明白な事実もある。それは中國市場ではGMやアップルなどの米國ブランドは一介の參加者に過ぎないこと、不可欠とはいえないことだ。米國の対中投資をみると、2000年以降、米國の対中投資額が中國の実行ベース外資導(dǎo)入額に占める割合が低下を続け、以前は10%前後あったのが最近は2%前後に低下している。15年、16年、17年の中國の実行ベース外資導(dǎo)入額の國別番付における米國の順位は、8位、6位、8位だった。ここからわかるのは、中國の発展で米國の投資が果たした役割は必ずしも「大きい」とは言えないことだ。
経済グローバル化が高度に発展した今日にあって、製品は多方面の協(xié)力の結(jié)晶という場合が多くなった。たとえば攜帯電話1臺の生産には米國のタッチセンサIC、韓國のディスプレイ、日本のイメージセンサが必要で、これに中國での組み立てが加わって初めて完成する。これは実際のところ、各方面がそれぞれ「生態(tài)的ニッチ」を備えたシステムであり、各方面がすべて「生態(tài)」全體の中から利益を得ているということだ。もしも誰かが自分は不可欠であるとして、別の誰かから奪い取るようなことをしたなら、その結(jié)果として最も可能性が高いのは、奪われそうになった側(cè)の屈服ではなく、奪おうとした側(cè)の退場だ。各方面が奪おうとした側(cè)によって存在を被るからであり、システム全體にとって最も損害が少ない解決策は別の參加者を探して奪おうとした側(cè)の代わりにすることだ。
今の世界では、平等な協(xié)力によってしか共同の発展は達(dá)成できないし、世界秩序の唯一の制定者という者はもはや存在しない。米國はすでに世界最大の市場國ではないし、世界各國にとってはビジネスの選択肢の一つに過ぎず、もはや必然的な選択肢ではない。世界の発展の道は決して1本だけではなく、互恵?ウィンウィンを提唱しなければ助けを得て道を進(jìn)むことはできない。自分の意思を押し通すために他人に強(qiáng)制したり無理な要求をしたりすれば、助けを得ることはできず道を進(jìn)むこともできない。(編集KS)
「人民網(wǎng)日本語版」2018年10月16日
このウェブサイトの著作権は人民日報(bào)社にあります。
掲載された記事、寫真の無斷転載を禁じます。
Tel:日本(03)3449-8257
Mail:japan@people.cn