新疆維吾爾(ウイグル)自治區人民政府新聞弁公室がこのほど行われた記者會見で、中國科學院新疆天文臺の責任者は、「中國の天文発展戦略の需要を満たすため、科學研究者は新疆帕米爾(パミール)高原地域で世界一流の光學観測所に比肩できる設立先を選定した。中國で口徑が3番目に大きい汎用型光學望遠鏡プロジェクトが同地に設立される」と説明した。新華網が伝えた。
中國科學院新疆天文臺の王娜臺長によると、パミール高原天文臺設立先資源探査活動は2016年に始まった。科學研究チームは長期間の設立先モニタリングを通じ、新疆阿克陶県布倫口郷內の慕士塔格を選定し、慕士塔格観測所の建設に著手した。
慕士塔格観測所の空撮寫真(畫像提供は中國科學院新疆天文臺)
王氏は「慕士塔格観測所の標高は4520メートルで、最良のシーイングは0.4秒角に達する。冬の大気中の水蒸気の含有量は常に2ミリメートル以下。高くそびえ立つ公格爾雪山が都市からの光の干渉を遮斷している。こうした優れた光學天文観測條件は中國では珍しく、世界一流の光學観測所に比肩できる」と述べた。
北京師範大學、中國科學院國家天文臺南京天文光學技術研究所、中國科學院新疆天文臺、新疆大學の4者が提攜した1.9メートル光學望遠鏡プロジェクトが2020年末、慕士塔格観測所で正式に始まった。同プロジェクトは24年6月の完成と使用開始を予定。これは中國で口徑が3番目に大きい汎用型光學望遠鏡プロジェクトでもある。
王氏は、「新疆天文臺は將來的に観測所の観測條件と地理的優位性を発揮し、より多くの大型天文科學技術プロジェクトを誘致し、天文先端科學分野でより多くの獨創的な貢獻を行う。慕士塔格観測所を世界レベルの天文観測研究拠點に建設し、新疆南部の重要な科學教育拠點に発展させる」と述べた。
パミール高原の星空。(撮影?天文撮影愛好家の楊靂鵬氏)
資料によると、新疆はユーラシア大陸の奧地にあり、國際時間領域天文観測ネットワークの経度空白エリアに位置し、天文科學裝置を建設する有利な條件を備えている。パミール高原は一年を通じ寒く乾燥するという気候條件が光學天文観測に適している。(編集YF)
「人民網日本語版」2023年2月24日