ネット文學が海外進出するようになって約20年になり、海外進出する中國の文化的アーティファクトとしては、すでに最も人気のジャンルとなっている。浙江省で最近開催された「2021中國グローバルネット文學ウィーク」の開幕式で、中國作家協會が発表した「ネット文學國際PR動畫」と「中國ネット文學インターナショナルコミュニケーション報告」によると、2020年の時點で、海外に進出した中國のネット文學作品は1萬點以上となっている。北京青年報が報じた。
世界各國に進出する中國のネット文學
約1萬作品のうち、海外出版ライセンスを得た紙媒體書籍が4000作品、オンライン翻訳作品が約3000作品となっている。サイトや電子書籍アプリを通じて中國のネット文學を読むユーザーは1億人以上で、世界のほとんどの國や地域をカバーし、世界進出が大きな成果を挙げている。
閲文集団は、「慶余年」や「贅婿」、「鬼吹燈」、「瑯琊榜」、「全職高手」などの作品を海外進出させてきた。今月9日から11日までの3日間の會期で開催された第5回「中國『ネット文學+』カンファレンス」で、閲文集団海外業務コンテンツの責任者?孫丹青氏は、「傘下の海外版ポータルサイト『起點國際(Webnovel)』は約4年かけて、世界各地の優秀な翻訳者や編集者約300人を招聘し、育成してきた。そして、翻訳作品約1700點をリリースし、海外の作者約19萬人を育成してきた。言語は英語やスペイン語、ヒンディー語、マレー語などをカバーしている」と説明する。
アラブ諸國やラテンアメリカといった、実力ある電子読書プラットホームが少ない市場に目を付け、五洲伝播出版社は、「that’sbooks」プラットホームを打ち出した。同社の関宏?副総経理は、第5回「中國『ネット文學+』カンファレンス」で、「現在、that’sbooksのスペイン語アプリは52萬ダウンロードに達し、メキシコやコロンビア、ペルー、チリなど國をカバーしている。アラブ語のアプリは640萬ダウンロードを超え、ユーザーは175ヶ國?地域をカバーしている。そして、アラブ諸國の電子読書プラットホームランキングで2位に入り、アラブ諸國の主流メディアから、『アラブ諸國の読者への中國からのプレゼント』と評価されている」と説明した。
中華文化に魅了される海外の読者
ネット文化の海外進出がグレードアップするにつれて、ネット文學を原作とするドラマや映畫も海外でますます人気になっている。小説「扶搖皇后」を原作としたドラマ「扶搖(Legend Of Fu Yao)」は、歐米の主流動畫サイトで配信されたほか、多くの國のテレビで放送され、世界でブームを巻き起こした。小説「凰権」を原作としたドラマ「天盛長歌(the Rise of Phoenixes)」は、動畫配信サービス?Netflixが最高ランクの條件で事前に配信権を購入した初の中國の歴史ドラマとなり、十數ヶ國語に翻訳され世界に向けて配信されている。
2019年末、ドラマ「慶余年」は中國で大ヒットすると同時に、韓國を含む世界5大陸27ヶ國?地域のニューメディアプラットホームやテレビで配信や放送され、好評を博した。その小説は2020年10月、韓國語版の上(第一巻)「慶余年:古老新世界」が韓國でリリースされ、同國の検索サイト?ポータルサイトNAVERの「ベストセラー作品」など、多くのランキングで上位に名前を連ねた。その他、「鬼吹燈」や「全職高手」、「將夜」、「許你萬丈光芒好」、「盤竜」、「擇天記」、「凡人修仙伝」などの作品も海外で好評を博している。
中國のネット文學作品は、なぜ海外でも人気となっているのだろうか?孫氏は、「海外の読者は、中國のネット文學作家が描くキャラクターを通して、『兄友弟恭』や『尊師重道』といった中華文化の魅力に觸れることができるため」と分析する。ネット作家?柳下揮は、中醫學をテーマにした「天才醫生」、太極拳をテーマにした「終極老師」、文化財鑑定をテーマにした「獵贗」などの小説を手掛けてきた。彼の作品は、中國の伝統文化をテーマに、民族に誇りを抱く人々を描いている。90後(1990年代生まれ)のネット作家「會説話的肘子」は、「ネット文學のコア?コンピタンスはストーリー。おもしろいストーリーを作る作家が集まるネット文學は今後、必ず文化産業の発展を牽引するようになるだろう」と斷言している。(編集KN)
「人民網日本語版」2021年10月19日