「部屋はまだありますか？」、「すいません、予約でいっぱいです」。5月1日のメーデーに合わせた5連休中、王■さん（■は王へんに韋）のもとには毎日、宿泊の問(wèn)い合わせが殺到していた。王さんは、「4月20日から5月10日まで、全ての部屋の予約が埋まってしまった。近所の民宿の狀況もだいたい同じで、旅行市場(chǎng)全體が爆発的に回復(fù)した」と話す。

5連休中、観光客で賑わう喀什（カシュガル）古城（撮影?艾麗菲熱）。

新疆維吾爾（ウイグル）自治區(qū)のカシュガル古城の吾斯塘博依路巴格其巷は、地元で有名な民宿街だ。王さんと親友の張嘉意さんはそこで、「沐色」という民泊施設(shè)を経営している。

中國(guó)各地から観光客が押し寄せ、古城の情緒や文化を肌で感じたり、100年の歴史を誇る茶館でお茶を飲んだり、ウイグル族の高齢者が楽器を演奏する中、地元の人と一緒にダンスを踴ったり、さらに、食べきれないほどバラエティに富む名物グルメを楽しんでいる。

早めにネットを通じて「沐色」の部屋を予約し、四川から初めてカシュガル來(lái)たという観光客の蔣燕さんは、「靜かに座って、ここの飾りを眺めているだけでも、とても気分がいい」と話す。「沐色」には、民族の特色に満ちたカーテンや素?cái)长誓狙uの彫刻、ウイグル族の伝統(tǒng)楽器などの裝飾品が飾られていて、蔣さんは興味津々となり、隅々までじっくりと鑑賞したという。

カシュガル古城の子供たちと一緒に記念寫真を撮る王さん（撮影?艾麗菲熱）。

そのような特色あふれる伝統(tǒng)文化は、王さんと張さんが當(dāng)初カシュガルで起業(yè)するきっかけにもなった。

2019年11月、王さんと張さんは河南省鄭州からカシュガルに旅行に來(lái)た。二人がカシュガルを訪問(wèn)するのはその時(shí)が初めてで、カシュガル古城特有の情緒にたちまち魅了された。

2000年以上の歴史を誇るカシュガル古城にはウイグル族の伝統(tǒng)的住居がびっしりと建ち並び、通りが縦橫無(wú)盡に走り、迷路のように入り組んだ町が形成されており、中國(guó)で唯一の「迷宮式街區(qū)」となっている。カシュガル古城は以前の歴史的風(fēng)貌をそのまま殘すことを前提に、合わせて70億4900萬(wàn)元（1元は約17円）かけて舊市街地が再開発され、古城は國(guó)家級(jí)5A景勝地（最高ランク）に指定されるようになった。

巴格其巷で王さんと張さんが経営する民泊施設(shè)「沐色」（撮影?艾麗菲熱）。

王さんと張さんは、偶然通りかかった巴格其巷で、ちょうど空き家を見つけた。「二人ともカシュガル古城が大好きで、これはとてもいい機(jī)會(huì)だと思った。それで、その場(chǎng)でその空き家を借りることにし、民泊施設(shè)にした」と王さん。

現(xiàn)地の特色がふんだんに詰まった「沐色」の部屋（撮影?艾麗菲熱）。

親切な地元の人々も、二人がそこで起業(yè)して頑張る精神的力の源となっている。女性の提拉汗·吾布力▲斯木さん（71歳、▲は上と下が上下に組み合わさった字）は、「沐色」の內(nèi)裝工事が始まった時(shí)から、よく顔を出して、クッションやテーブルクロスを作る手伝いなどをしてくれているという。「夏になると、おばあちゃんは毎日のように來(lái)る。いつも違う模様のスカートを履き、化粧もしている。そして、たくさん客が來(lái)ているのを見て、とても喜んでいる」と王さん。

カシュガル古城景勝地管理委員會(huì)の専職副主任を務(wù)める阿地力江·阿不都▲徳爾さんは取材に対して、「以前600軒ほどだった當(dāng)景勝地の店舗は現(xiàn)時(shí)點(diǎn)で、約2700軒まで増えた。観光を活用して、7000人以上の雇用が直接創(chuàng)出され、3萬(wàn)人以上の雇用が間接的に創(chuàng)出された」と説明した。

5連休中にオープンした王さんと張さんが経営する喫茶店（撮影?艾麗菲熱）。

このように中國(guó)各地からカシュガル古城にやって來(lái)て、店を開いたり、起業(yè)したりする人たちと同じく、王さんと張さんも「観光客」から「起業(yè)者」となり、同地で夢(mèng)を?qū)g現(xiàn)している。二人は事業(yè)をさらに拡大させており、メーデー5連休中に、喫茶店を新たにオープンさせ、多くの客で賑わったという。（編集KN）

「人民網(wǎng)日本語(yǔ)版」2021年5月14日