中國では中産階級が拡大を続け、輸入フルーツ人気が上昇中だ。グルメたちが喜ぶのは、大人気のチェリーだけでなく、変わった見た目のアボカド、強烈なにおいのドリアンなどだ。中國グルメの消費ニーズの拡大にともない、海外の農場主は大忙しだが得られる利益は大きく、うれしい悲鳴を上げている。
▽チリの果物農家は次々チェリーに切り替え
中國のサクランボと異なり、チェリーは主に米國、カナダ、チリなどの北米?中南米諸國で生産される。そのうち、中國への輸入量が最も多いのはチリ産チェリーだ。
稅関総署のデータによると、2018年は輸入サクランボ類の90%近くがチリ産だった。これは主に南半球のチェリーの収穫期が北半球と異なるためだ。
米國やカナダのチェリーは5?8月に市場に出回り、ちょうど中國のサクランボと時期が重なってしまう。一方で、チリ産は11?1月に出回り、中國の春節(舊正月)の時期に當たるとともに、中國國內で果物が品不足になる時期にも當たる。
チリのチェリーが中國で人気があるのは、中國とチリの貿易関係によるところも大きい。17年に両國は自由貿易協定(FTA)の深化協定に調印し、雙方の製品の97%以上についてゼロ関稅を実現した。チェリーもそのうちの1つだ。
関稅の減免の結果、チリ産チェリーはより安くなり、中國のチェリーファンもますます増えていった。
英國誌「エコノミスト」の報道によると、中國でチェリー需要が拡大すると、チリのサンフランシスコ?ロ?ガルセス社は世界最大のサクランボ類生産企業になった。生産量は過去15年で25倍増加したという。
また報道によると、中國ニーズの恩恵を被り、チリは18年に11億ドル(1ドルは約110.5円)相當のチェリーを輸出し、輸出量は前年の2倍になり、チリワインの輸出量の3分の2に迫ったという。
チェリー栽培の利益が他の果物の何倍にもなることから、違う果物を栽培していたチリの果物農家が次々とチェリー栽培に切り替えている。「中國の潛在的ニーズを受けてチリ産チェリーの輸出は拡大を続ける」と見込んでいる。
チリ果物輸出協會(ASOEX)のチリチェリー委員會の報告によると、「18?19年の輸出シーズンの第1週に、チリの極東市場(主に中國)へのチェリー輸出は前年同期比17%増加した」という。
▽アボカド輸入量が1萬倍に
10年に中國の輸入量がわずか2トンだったアボカドが、17年は3萬トンを超え、注目されなかったフルーツから大人気のフルーツへと変身した。海外メディアは、「これは主に中國の新興の中産階級が健康食品を好むことによる。彼らはアボカドの熱心な消費者だ」と伝えている。