外交部(外務省)ウェブサイトによると、王毅國務委員兼外交部長(外相)は30日に北京で英國のハント外相と第9回中英戦略対話を行った後、共同記者會見に臨んだ。王部長は中米貿易摩擦問題について次の立場を明らかにした。
貿易の自由化は國際社會の一致した共通認識であり、それ以上に阻むことのできない歴史の潮流だ。中國は常に自由貿易體制維持の側に立ち、歴史の正しい側に立っている。中國側は英側及び國際社會と共に、引き続き多國間主義プロセスを維持し、世界自由貿易體制と世界貿易機関(WTO)のルールを維持していくとの認識で、先ほど私とハント外相は一致した。
國と國との付き合いは人と人との付き合いと同じで、信用を基礎とし、事実を根拠とし、ルールを準則とする必要があることを強調したい。皆さんにいくつかの基本的事実を紹介したい。皆さんは客観的、理性的な判斷をするものと信じる。
第1に、中米間の貿易不均衡の主たる責任は中國側にない。貿易はまず市場の自発的行為であり、中國が売買を強制したことはこれまでない。貿易構造も國際分業の自然な結果であり、中國の輸出品の多くは最終組立品であり、大量の中間製品は中國製ではない。また、中米間の貿易不均衡は米ドルの國際通貨としての地位、米國內の低貯蓄率と大量消費、及び米側のハイテク製品輸出規制などに由來する。したがって、米國の貿易赤字問題の根は米國自身にある。
第2に、黒字と赤字は是非を判斷する基準というわけではない。実際には、米國は対中貿易で多くの実益を得続けている。例えば、大量の安価な資源と商品を獲得して、消費者の幸福を高め、米ドルの強い地位を支えてきた。米側のいわゆる「損をしている論」は理解に苦しむ。例えばスーパーで100元の商品を買った人が、商品を手に入れたのに「100元損した」と言う、そんなロジックが成立するだろうか?
中米間のサービス貿易で中國の対米赤字は毎年500億ドル以上に上るが、米國系企業が中國で生産?販売する商品の総額は毎年6000億ドル以上に上る。実際には米側は中國で多大な利益を得ている。また、中國の対米貿易黒字の約60%は外資系企業によるものであり、生産品のバリューチェーンにおいては米國など先進國の多國籍企業が大きな部分を取り、中國企業が取るのは小さな部分、少しの加工費に過ぎない。
第3に、中米間の貿易摩擦は米側が先に仕掛けたものだ。米國は3月に中國側の反対を顧みず、対中「301條調査」を発動。その後、米國は事態をエスカレートさせる様々な行動をとり続けてきた。中國側は貿易戦爭を望まないが、米側の居丈高な態度と権利侵害行為を前に、必要な反撃をせざるを得ない。これは合法的で理にかなった純粋な「正當防衛」だ。
第4に、貿易紛爭を仕掛けるという米國のやり方は合法性と正當性を欠く。中米は共にWTO加盟國であり、WTOの枠組內で摩擦を解決するのが當然だ。だが米側はWTOの紛爭解決制度を捨て、自らの國內法に基づき貿易摩擦を処理し、WTOの基本原則に完全に背き、自ら約束した関稅減免及び最恵國待遇の義務に違反した。これは典型的な一國主義及び経済的覇権主義のやり方であり、どの獨立主権國家も受け入れることはできない。
今年、中米雙方は貿易問題について數回協議し、重要な合意にもいたった。だが遺憾なことに、米側は義務を履行せず、われわれと向き合って進んでもいない。中國にとって改革開放は既定の國策であり、対抗ではなく対話によって貿易摩擦を処理するのは中國の一貫した立場であり、問題解決の正しい道でもある。中國側の対話の扉は常に開かれている。だが対話は相互平等と相互尊重を基礎に、ルールを基礎に築かれなければならない。一方的な脅しと圧力は逆効果になるだけだ。(編集NA)
「人民網日本語版」2018年7月31日
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