3年の巨額負債を経て、スペインの國営鉄道會社レンフェ(RENFE)がようやく黒字転換した。レンフェのパブロ?バスケス會長は、2015年の純利益が3700萬ユーロに達したという數字の意義は大きくないが、「スペインの鉄道會社が世界最大規模の高速鉄道網管理會社の一つとなり、しかも黒字であるという背景的意義は非常に大きい」と語った。一財網が伝えた。
パブロ會長はまた、「スペインの國鉄は巨大な商機を迎えており、我々は世界最大の鉄道運営會社になる可能性もある」と野心を語った。
赤字から黒字へ
歐州金融危機後、スペイン経済は衰退をたどり、鉄道企業もその影響を受けて苦難の道を歩んだ。とりわけ2013年の重大事故はスペイン國鉄の危機をさらに深刻なものにした。當時、200人を超える乗客を乗せたスペイン國鉄の列車が高速走行中に脫線、79人が死亡し、140人あまりが負傷、歐州史上最悪の鉄道事故の一つとなった。事故調査擔當の発表によると、この慘事の発生場所は急カーブで、時速80キロの制限が設けられていたが、列車は當時時速190キロで進入しており、「人災」であると認定された。その後スペイン國鉄は國內から責任を指摘され、スペイン全國の高速鉄道建設にかかるコストを國內の教育分野の充実に充てた方が適切だと指摘する政治家も現れた。
2014年、スペイン國鉄の赤字は続き、欠損額は1億9000萬ユーロに達した。経営回復を図るため、翌15年に前売りチケット販売の強化や所有土地管理の改善、物流業務の拡大、「地中海回廊」鉄道路線の運営列車の借用増大、収益確保の強化、10億ユーロで40列の新車購入、顧客対応サービスの向上、貨物関連子會社の新株主の模索など50項目の緊急対策を講じた。
2015年通年のスペイン経済は回復を始め、3.2%の成長率で2007年以降最大の成長幅を実現した。観光業界もこの年大きく発展した。統計によると、スペインの15年の國際観光客集客數は過去最高となるのべ6810萬人で、14年比で4.9%増となった。観光業界の繁栄はスペイン國內の公共交通の2006年以來初めてとなる利用客増をもたらし、このうち鉄道旅客數は14年比3.8%増ののべ3081萬人に達した。
內部調整と外部市場の繁栄という二つの刺激を受け、スペイン國鉄は2016年はじめ、15年の営業黒字を発表した。また、スペイン國鉄は業界の代表者として、基盤を固めた後に世界の高速鉄道市場に乗り出す構えを示した。