趙さんは春節(jié)(舊正月)連休中、家族全員で日本に遊びに行った。趙さんの親戚や友人は、日本の風邪薬を買ってきてくれるよう彼に頼んだ。日本の風邪薬も、中國産漢方薬と同様、原材料は全て中國産が用いられている。だが、不思議なことに、同じような中國國産薬は、日本製の薬ほど中國の消費者に人気はない。人民日報が報じた。
風邪の治療について、漢方薬の経典には、麻黃湯、桂枝湯、銀翹散などさまざまな処方が記されている。今では、顆粒剤、丸薬、カプセル、錠剤、液體薬など各種類が揃っており、さまざまなタイプの患者のニーズに対応している。中國人は、日本製の風邪薬を好んで選ぶ。これは、中國メーカーが風邪薬を製造していないからではなく、中國製風邪薬の治療効果を信頼していないからだ。これは、長い間をかけて人々が経験を通じて形成したイメージであり、中國製風邪薬の品質にはピンからキリまであり、それらの善し悪しを判斷するのはかなり難しいと多くの人が感じている。一方、日本製の風邪薬は、品質が安定しており、治療効果も高い。
昔は、「誰も見ていなくても天が見ている」ことを肝に銘じて薬を作った。良心に従って良い薬を作る―國內(nèi)の製薬メーカーは、昔の言葉を教訓として尊び、薬を作っていた。問題となり得るのは、製薬技術に関することだけだった。歐米の製薬メーカーと比べ、國內(nèi)の製薬メーカーが劣っていた點は、規(guī)模だけではなく、補い難い技術面での未熟さにあり、中國醫(yī)薬産業(yè)の供給側の欠陥が露呈された。國內(nèi)製薬メーカーの多くは、伝統(tǒng)的な技術にしがみついたままで、先代のやり方を踏襲し続けることで何とか食いつないでいた。だが、中薬(漢方薬)の多くは調合薬で、伝統(tǒng)的技術では、製品の質の安定?統(tǒng)一化を保つのは至難の業(yè)だった。同一メーカーの同一ロットの製品の中でさえも、大きな品質の差が出る場合もあった。統(tǒng)計データによると、中國全國に約2千社ある漢方薬メーカーのうち、100%コンピュータ制御を導入している會社は10社足らずで、圧倒的多數(shù)が今もなお、従來の半自動化または人工化による生産技術を採用しており、製品に対する制御性が極めて低いままだ。一方、日本やドイツの漢方薬メーカーは生産工程全體をコンピュータ制御化しており、最終的に品質が安定し、均一化された完成品を生み出している。
中國の漢方薬メーカーが最新科學技術という翼を手に入れたくないということはあり得ない。もちろん、手に入れたいに決まっている。重複建設や悪性競爭といった國內(nèi)製薬メーカーをめぐる劣悪な環(huán)境下で、薬品の集中仕入制度により、価格が最優(yōu)先事項となった。このため、各メーカーの関心は、品質よりも、「いかにコスト削減するか」「いかに競爭に打ち勝つか」に集中した。完全自動制御ネットワークのような品質制御設備に対する投資は膨大な額にのぼり、自動化のコストは、半自動化や人工化による生産コストを上回るため、それらは企業(yè)の生産コスト削減に対して何の「メリット」もない。その結果、メーカーは、新技術という「風邪」にかかることはなく、消費者も國産風邪薬の効果という「風邪」にかかることはなかった。最新の科學技術という「重力波」を受けなかった中國の製薬メーカーは、産業(yè)アップグレードという先行チャンスを逸し、長年にわたる「漢方薬の國際化」を叫ぶ狀態(tài)、あるいは「漢方薬材料の國際化」の狀態(tài)に移り変わった。統(tǒng)計データによると、日本と韓國は、世界漢方薬市場において、すでに中國を上回り、80%から90%のシェアを占めるまでとなった。皮肉なことに、日本の漢方薬の原料のうち、75%は中國から輸入したものだ。もともと中國は漢方薬の原産地だったが、今や漢方薬材料の輸出國となり果てた。そのような狀況は、中國の製薬メーカーに警鐘を鳴らすものだ。