南開大學の陳雨露學長はこのほど開催された國際通貨フォーラム2023並びに「人民元國際化報告2023」発表會で、「2022年末に、人民元は3番目の國際通貨になり、國際化レベルが全體として長期的に上昇する傾向を示した」と述べた。
同報告によれば、人民元の國際市場での使用レベルが歴史的に高い水準を保ち、変動しながら上昇する流れは変わらず、今後の発展のポテンシャルは極めて大きい。22年末現在、中國人民大學國際通貨研究所が算出した人民元國際化指數(RII)は前年同期比18.08%上昇の6.40に達し、長期的上昇の流れを続けたという。
中國人民銀行(中央銀行)の戴相龍?元総裁は基調講演の中で、「直近の5年間近くにわたりRIIの上昇幅は急速に拡大した一方で、日本円と英ポンドの國際化指數の伸びは基本的に守勢に回った。現在、人民元國際化の影響力は円とポンドと比べてもそん色はない」と述べた。
陳學長は、「新型コロナウイルス感染癥や地政學の衝突といったグローバルな課題により、國際通貨の供給不足問題がさらに深刻化した。人民元國際化は広大な新興市場と発展途上のエコノミーに國際決済通貨と國際準備通貨の新たな選択肢を提供するとともに、國際通貨の構造を多元的な競爭、相互に抑制し合う多極化した方向へと前進させ、世界経済の安定性を強化した」と指摘した。
ただ戴元総裁は、「人民元國際化は米ドルに自ら挑戦を挑むものではないし、ましてや米ドルに取って代わろうとするものでもない。一部の國がドル依存からの脫卻や依存度引き下げを発表したことを世界の『脫ドル化』とするのは、一方的な見方だ」とも言及した。(編集KS)
「人民網日本語版」2023年7月24日