4月のある日、湖北省武漢市に住む女性?彭さんが飼っていた17歳の犬「乖乖」が息を引き取った。彼女は乖乖の遺體をタオルに包み、ペットの火葬を扱う「善終中心」にやって來た。同店の責任者?高明輝さんは、「乖乖」の遺體の見た目を整え、「お別れ部屋」へと運び、「乖乖」と最後の別れをする彭さんを靜かに待っていた。新華社が報じた。
中國でペットを飼う人が増えているのに伴い、ペットの「葬儀」もますます重視されるようになってきている。以前は1週間に入る問い合わせは1-2件だったものの、今では、毎月60匹以上のペットを看取っているという高さんは、「ペットのおくりびと」になってから、この3年で、2000匹以上のペットを看取り、人間とペットの「絆」を見守ってきたという。
ペットの遺體に花を供える高明輝さん(撮影?龔聯康)。
高さんは、ペットの葬儀業界の仕事に就いた理由について、「自分の経験と関係がある。2017年に、飼っていた犬が突然死んでしまったが、きちんと葬儀をしてくれる場所がなかった。ペットを飼っている周りの友人の多くも同じような経験をしていた。そこでペットショップでペットを洗うスキルを學んだり、動物病院の獣醫に教えを乞い、2019年にペットの葬儀店を開いた」と説明する。
高さんは店內の壁に飾られたペットの寫真を見ながら、「最も短くて10日間しか生きることのできなかったペット、最も長くて約20年飼い主に寄り添ったペットをこれまでに看取ってきた」と振り返る。
ペットが死んで落ち込んでいる飼い主と毎日のように接する高さんは、やさしい聲で穏やかに話すのが習慣になっており、悲しんでいる飼い主には常に慰めの言葉をかけるようにしているのだという。ゴールデンハムスターの「哲寶」の飼い主は、「みなさんのおかげで、この子をちゃんと見送ることができた。最後にきちんとした形で見送ることができて、ホッとした」と、感謝の言葉を綴っている。
ペット関連における一種の消費サービスとして、ペットの葬儀サービスは中國の多くの都市ですでに普及している。高さんは、「細やかで専門的なサービスを提供することで、命を大切に思うおくりびとの気持ちを、飼い主に感じてもらうことができる。これも、飼い主を慰める一つの方法」としている。(編集KN)
「人民網日本語版」2023年4月10日