中國有人宇宙事業弁公室によると、宇宙ステーション段階飛行任務総指揮部は、研究?検討を経て、29日に打ち上げられる計畫の有人宇宙船「神舟15號」の乗組員に、費俊龍宇宙飛行士、鄧清明宇宙飛行士、張陸宇宙飛行士の3人を選出することを決定した。
報道によると、鄧清明飛行士は、中國初の有人宇宙船の宇宙飛行士となった楊利偉飛行士ら14人と共に選出された第一陣の宇宙飛行士。これまで何度もあと一歩というところで選出から漏れ続けていたものの、訓練を決して諦めることはなかった。そして、24年10ヶ月の努力を経て、56歳でついに宇宙飛行の夢を葉えた。
28日に酒泉衛星発射センターの「門天閣」で開かれた中國國內外のメディアを対象とした記者會見で、鄧飛行士は、「何歳であっても、祖國に必要としてもらえるというのは、とても幸せなこと」と語った。
そして、「宇宙というのは、感動のエピソードがあるという理由で、その胸に飛び込むことができるよう、手を広げてくれるわけではない。真の戦いと呼べるものが、人生に何度あるだろうか?25年というのは、とても長く、飛行任務にあと一歩で屆かないということが何度も続いてきたので、落ち込んで、涙を流したこともある。でも、方向性を見失うことも、諦めることもなかった。宇宙飛行士として、宇宙に行くという初心を決して忘れず、信念を決して曲げないというのが私のモットー。一生ずっと黙々と準備していても構わない。でも、任務を任された時に、準備ができていないということだけは決してあってはならない」と語った。
1966年3月生まれの鄧飛行士は、1998年1月5日に、中國人民解放軍が宇宙飛行士チームを立ち上げた時の第一陣の宇宙飛行士14人の1人となった。しかし、2021年10月の時點で、14人のうち、鄧飛行士は有人宇宙船の乗務員の任務に1度も就いたことがないまま現役を続けている唯一の宇宙飛行士だった 。
1998年に宇宙飛行士チームの一員となった鄧飛行士が、強化訓練チームのメンバーに選出されたのは、2010年に宇宙船「神舟9號」の補欠要員を選出した時が初めてだった。その時、初めて宇宙飛行任務のチャンスが巡ってきたのだ。しかし、殘念ながら、僅差で落選してしまった。そして、その後の數年間も、「神舟10號」や「神舟11號」の乗務員としての任務とも縁がなかった。
このように、鄧飛行士はこれまでずっと、私たちの見えない所で、宇宙へ飛んだ英雄と共に、黙々と同じだけの汗を流してきたのだ。そんな鄧飛行士はかつて、「任務の成功が、私にとっての成功。喜んで縁の下の力持ちとなりたいと思っている。でも、招集がかかった時に、自分は準備ができていないということがあっては絶対にならない」と語っていた。
中國有人宇宙事業弁公室によると、「神舟15號」は北京時間11月29日午後11時8分に打ち上げられる計畫で、乗務員には鄧飛行士のほか、費飛行士、張飛行士が選ばれている。 (編集KN)
「人民網日本語版」2022年11月29日