110メートル口徑全方向可動式電波望遠鏡のイメージ図
新疆維吾爾(ウイグル)自治區奇臺県に位置する110メートル口徑全方向可動式電波望遠鏡プロジェクトが21日、正式に著工された。同プロジェクトは中國の天文學分野の重大科學技術インフラとなる。竣工後は重力波、高速電波バースト、ブラックホール、暗黒物質、天體及び生命の起源などの先端分野における世界レベルの観測プラットフォームになる。
同電波望遠鏡は奇臺に設置されることから、奇臺電波望遠鏡(QiTai radio Telescope、略稱はQTT)と呼ばれる。QTTは「中國天眼」FASTに匹敵する重大科學技術インフラで、全方向可動の長所により極めて高い感度で4分の3のスカイエリアを観測できる。天文學界が高度に注目する銀河系中心から南に12度のスカイエリアをカバーできる。
世界最大の全方向可動式電波望遠鏡は現在、ドイツと米國にある。そのアンテナ直徑は100メートルで、中國はまだ100メートル級の全方向可動式電波望遠鏡を作っていない。そのため6年後の竣工後、口徑110メートルのQTTは世界最大の、精度が最高の100メートル級全方向可動式電波望遠鏡になる見込みだ。
中國科學院院士、國家天文臺臺長の常進氏は、「QTTは大陸の奧地に位置する。ネットワーク構築の観測により、西は歐州、東は內陸部及び東アジアのネットワークと連結でき、全體的な感度を大幅に上げることができる。中國の深宇宙探査の重要構成を改善し、月探査事業、火星?小惑星探査、さらにはより遠い太陽系近傍探査など、未來のより遠くの宇宙活動に向け力強い技術の支えを提供する宇宙探査の重要な支援プラットフォームになる」と述べた。(編集YF)
「人民網日本語版」2022年9月23日