ここ數年、海外から輸入されたスキンケア製品、化粧品、服飾品などが消費者の人気を集め、掃除機や便座などを買い求める人もいる。こうした背景の中、中國では越境ECプラットフォームが雨後の竹の子のように次々誕生し、越境EC企業は空前絶後の発展チャンスを迎えている。
▽高品質製品が消費者に人気
このほど発表された「2018?2019年中國越境EC市場研究報告」によると、2018年の中國越境EC取引規模は9兆1千億元(1元は約16.7円)に達し、ユーザー規模は1億人を超えた。19年は10兆8千億元に到達する見込みという。
16?18年に中國の越境EC取引規模は増加を続け、6兆3千億元から9兆1千億元に増加し、今後もこの勢いを保つとみられる。同報告によると、越境消費行動についてユーザーの48%が、「海外通販に毎月平均1千元以上使う」と答え、「毎週1回以上海外通販を利用する」とした人は19.1%、「毎月1回以上を海外通販を利用する」は41%に上った。
中國人民大學の博士課程に通う大學院生の耿さんは越境ECプラットフォームの忠実なユーザーだ。「自分の周りの友だちからいろんな越境ECプラットフォームをすすめられる。網易考拉、小紅書、天貓國際(Tmallグローバル)などどれも利用してみた。今使っているスキンケア製品や化粧品はほぼ輸入製品だけだ。周りの大半の同級生も輸入製品を使ったことがある」という。
越境EC製品はどこが優れているか。北京市の孫さんは、「海外ブランドの製品の成分や品質をより信頼している」と話す。データをみると、18年には海外通販ユーザーの30.7%が、「海外製品の品質が優れているので、海外通販を選んでいる」と答えた。アナリストは、「製品の品質が海外通販ユーザーに重視されればされるほど、質の高い越境ECプラットフォームに対するユーザーのニーズも増加する」との見方を示す。
現在、小紅書や微博(ウェイボー)などのプラットフォームでブロガーが推薦する輸入商品が消費者の購買力を引っ張っている。耿さんは、「プラットフォームに購入へのリンクが張られていれば、購入の可能性はより高くなる。こういった情報共有や購入などの機能を兼ね備えたプラットフォームは、自分の購買意欲を間違いなく刺激する」と説明する。
また「ダブル11」(11月11日のネット通販イベント)や「ダブル12」(12月12日のネット通販イベント)といったショッピングイベントのキャンペーンも消費を喚起する重要な要因だ。データをみると、ユーザーの90%以上が「『ダブル11』が海外通販の意欲をかき立てた」と答えた。専門家は、「『ダブル11』の期間中、各大手プラットフォームのキャンペーンや新たに誕生した相互連動型の営業販売スタイルが消費意欲を大いにかき立てた」とみる。