消費者ローンを好んで利用するのは、職場で働くホワイトカラーだけに限らず、大學生も少なくない。1998年生まれの大學生?高梓豪さんは、長年の「アップルファン」の一人。2018年10月、彼は自分の2ヵ月分の生活費に相當する金額で、iPhoneの最新型機を購入した。彼の小さな願望は実現できたが、その後の生活費に困った。その後數ヶ月間にわたって、周りのクラスメートや親しい友人から數千元を借りて生活費に充てるしかなかった。
高さんは、クラスメートに薦められ、消費者ローンを利用することにして、2ヵ月分の生活費を借りた。しかし、返済日がくるたびに、彼は、自分が人から借金返済を催促されているような息苦しさを感じるようになった。両親から生活費の振り込みを受け取り、學校からは奨學金を獲得し、彼は速やかに借金を返済し終えた。「消費者ローンは、飲酒と同様、深みにはまればはまるほど憂鬱さが増大する」と彼はしみじみ語った。
若年世代をターゲットとしたオンライン消費者ローンは、ここ數年、急成長を遂げている。中商産業研究院が発表した「2018―2023年中國インターネット消費者金融業の市場予測と投資機會に関する研究報告」の統計データによると、2017年、中國におけるオンライン消費者ローンの取引総額は30兆元を上回り、成長率は33%に達した。2018年にはこの額が40兆8千億元(19%増)に達すると予測されている。
中國人民大學商法研究所の所長を務める劉俊海教授は、「現代の一部の若者の間では、『見栄を張るための消費』や『過度な消費』といった現象がかなり蔓延している。こういった狀況がさらに拡大すれば、個人?家庭さらには社會全體にまでリスクを及ぼしかねない。若者自身や家庭の債務負擔が増えるとともに、老後の暮らしにもリスクがもたらされる恐れもある」と指摘している。
アント?フィナンシャルサービスグループとフィデリティ?インベスメンツが共同で発表した「2018年中國老後の見通しに関する調査報告」によると、35歳以下の中國若年世代のうち、「老後のための貯金はまだ始めていない」と答えた人は56%、「1ヶ月の貯金額はわずか1339元」とした人は44%と、一部の若者は、「ゼロ貯蓄、多額負債」狀態に陥っているのが現狀だ。
劉教授は、「金融リスクを予防するという背景のもと、消費者ローンやキャッシングを取り扱うオンラインプラットフォームは、社會的責任を擔うという自覚を持ち、借金して消費するように若者を誘導?ミスリーディングすべきではない。若いユーザーに対しては、プロフィール調査と書類による審査をしっかりと行い、身の程を超えた消費をしたいという若者の心理を助長させてはならない。さもないと、商業倫理?関連法規違反の疑いがかかる恐れがあり、また、消費者ローン業界全體にもマイナス影響を及ぼしかねない」との見方を示した。(編集KM)
「人民網日本語版」2019年2月20日
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