厚生労働省は、幹細胞を多く含むさい帯血は、白血病の治療などに使われているものの、大腸がんや美容に対する効果や安全性は確認されていないとしている。日本再生醫療學會は今年3月に発表した聲明で、「他人のさい帯血を使う再生醫療の安全性や効果を慎重に研究すべき」と指摘し、7月1日に発表した緊急聲明でも、「『再生醫療安全性確保法』で定められた安全性や、有効性を確認する手続きを行わない違法な治療は、効果が得られないだけでなく、不要な危険にさらされる可能性がある」と注意を呼びかけた。
今回の「さい帯血事件」で、多くの中國人も「実験マウス」と化してしまった。近年、高額にもかかわらず、美容や老化防止のためにと、さい帯血治療を受けるために日本を訪問する中國人が増加している。さい帯血治療の効果をよく理解せず、日本の醫療水準を盲目的に信頼し、多くの中國人が醫療ブローカーや日本の良心に欠けた醫師の餌食となってしまっている。
取材では、「日本のさい帯血幹細胞靜脈注射を受けると、肌の細胞が生まれ変わり、美容、若返りの効果が期待できる」とうたい、「日本のさい帯血幹細胞移植は安全で、合法」と強調する醫療ブローカー業者の宣伝が見つかった。
厚生労働省は、「今のところ健康被害は確認されていない」としており、各地のさい帯血バンクの管理狀況を調べるほか、今後、法律を整備して管理を強化することも含めて、違法な再生醫療が橫行しないよう徹底するとしている。
在日華人醫工協會の門洪濤?會長は、「醫療目的で日本を訪問する人をターゲットにした醫療ブローカーは、まだ新しい業界で、整備が進んでおらず、事実と異なる宣伝がされることが多い。日本の大病院が違法行為にかかわることは考えにくいが、小さなクリニックなどは何とも言えない。日本で醫療を受ける場合は、大きな醫療機関を選ぶべき」と注意を呼び掛けている。また、日中介護學會の劉玉勁會長は、再び「さい帯血事件」が起きないために、「中日両國が渉外醫療資質認証や監督を行う制度を制定する必要がある」と指摘している。(編集KN)
「人民網日本語版」2017年8月31日
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