▽簡體字の段階的廃止の提案
代表的な提案の一つが、中國語漢字の簡體字を10年間にわたって段階的に廃止し、繁體字の使用を再開するというものです。主な原因は二つあります。まず漢字の簡略化は1950年代に行われたわけですが、簡體字の設計があまりに亂暴で、漢字の蕓術性や科學性を損なっているという問題があります。例えば中國語の「愛」という字は、繁體字では真ん中に「心」がありますが、簡體字になると「心のない愛」になってしまいます。また、繁體字が簡略化されたのは、書くのが難しく普及を妨げるという理由があったからですが、現在はすでに多くの人がパソコンで入力しており、細かい字でも打つのは難しくなくなっています。簡體字の存在理由はすでに消失しているのです。
▽「所得倍増5カ年計畫」の提案
2010年1月8日、胡錦濤総書記(當時)は中共中央政治局のグループ學習會で次のように指摘しました。「所得分配の秩序を規範化し、國民の所得分配の調整を強化し、都市と農村の労働者の労働報酬を高め、住民とりわけ低所得者層の消費能力を高めなければならない」。國務院も、所得分配制度改革の深化と國民所得分配の調整を「第12次5カ年計畫(2011-2015)」の重點任務とすることを定めていました。私はこれに対し、國家は「國民所得倍増5カ年計畫」を実施し、「都市と農村の労働者の労働報酬増加、住民とりわけ低所得者層の消費能力の強化」という黨中央と國務院の戦略措置を現実化し、內需と輸出の均衡の取れた持続可能な発展の軌道へと中國経済を推し進めるべきだと訴えました。
このほか「労働教養制度」の廃止にかかわる提案も提出しました。この制度については、2013年12月28日に開かれた第12期全國人民代表大會常務委員會第6回會議で、「労働教養に関する法律?規定の廃止に関する全人代常務委員會の決定」が議決されました。
■両國関係のさらなる発展に期待
――今後の中日関係についてはどのような期待を抱いていらっしゃいますか。
「氷凍三尺非一日之寒」(氷が三尺できるのは一日の寒さからではない)。現在、中日関係は谷間に落ち込んでいます。私はやはり、雙方に意思疎通と交流が足りない為と考えています。政府間の交流だけでなく、民間の交流も重要です。百聞は一見にしかずと言われるように、できるだけ多くの人が相手の國に足を運んでくれることを期待します。相手を十分に理解して初めて、相手の行動を理解することもでき、矛盾の一部を解消することができるでしょう。中日両國に対しては、1972年に調印した「中日共同聲明」を大事にし、意思疎通と交流を強化し、中日両國の関係が正常な軌道に乗るよう努力することを望みます。(編集MA)
「人民網日本語版」2014年12月4日