一度も會ったことがない相手と戀をすることは可能だ。昔からずっと「あなたが書いた文字を見ると、まるであなたがここにいるかのようだ」と感じる「戀愛」があったが、インターネットが登場して、ネット戀愛の扉が大きく開かれるようになった。では、ネット戀愛が今、流行しつつあるのはなぜなのだろう?ある研究によると、ネット戀愛は、自分と意気投合できる相手を見つけやすいというのが、その魅力だという。中國日報が報じた。
相手が目に見えないほうが好感を抱きやすいということもある。ある有名な「暗闇効果の実験」では、男女に明るい部屋と暗い部屋で過ごしてもらい、どんな交流が起きるか観察したところ、暗い部屋のほうが、被験者らが打ち解け、會話が弾んだ。つまり、相手の顔を見ながら話すプレッシャーが小さくなると、人は自分らしさを取り戻し、他の人を積極的に理解しようとするということだ。
しかし、ネット戀愛が「本當の愛」なのか、それとも「錯覚」なのかは、さらなる検討が必要だ。戀愛アドバイザーのDiana Dorell氏は、「現実の生活の中で會ったことがないのであれば、好きになっているのは相手ではなく、その人物設定かもしれない」との見方を示す。
會うことができない狀況下でも、ビデオ通話をすれば、少しはましなのだろうか?臨床心理學者のJoshua Klapow氏は、「ビデオ通話は、ショートメッセージやメール、手紙よりはましであるものの、觸覚や臭覚の補助がなければ、戀愛の実感が大幅に低下する」との見方を示す。
詐欺のような行為が多いというのも、ネット戀愛のもう一つのデメリットだ。ある研究によると、ネット戀愛をしている人の81%が、自分の體重や身長、年齢を偽っている。インターネットのバーチャル世界では、自由に自畫自賛し、自分の最も良い一面だけをPRすることが可能だ。
その他、ネット戀愛は人に虛無感を感じさせやすい。現実の生活において會うことができないのであれば、生身の人間との戀愛と、二次元キャラやAIとの戀愛では何が違うのだろうか?二次元キャラとの戀愛なら別に差しさわりがないかもしれないが、機械との戀愛となると倫理的な問題が発生する可能性もあるというのがその違いだろう。
総じて言うと、インターネットを通して誰かと知り合い、戀愛へと発展させることももちろんできるが、相手が一生を共にできる人がどうかを確かめるには、実際に相手に會い、相手の顔を觸り、相手の目をしっかりと見ることが必要になるだろう。(編集KN)
「人民網日本語版」2022年9月13日