がぶりと噛むと、ジューシーで甘いスイカの味わいで心が満たされる。これは普通の土壌で生産されたスイカではなく、火山灰土壌で栽培されたものだ。科技日報が伝えた。
火山國家地質公園の所在地である山東省中部の町?昌楽で、豊かな火山灰土壌が育むのはサクサクして甘いスイカだけではなく、粟やミニカボチャなど良質な農産品も含まれる。
萬物に二面性が存在する。火山の噴火はすべてを破壊し盡くす一方で、命も育んでいる。世界に目を向けると、日本の富士山麓の火山灰土壌は桑の木の栽培に適しており、養蠶業が発達している。歐州のヴェスヴィオ火山周辺はブドウの生産が盛んで、味わい深いワインを醸造している。
まさに火山の「二面性」がゆえに、中國科學院地質?地球物理研究所の劉嘉麒院士は昌楽から、「火山資源を開発し、火山経済を発展させよう」と呼びかけた。
火山地質は良質な農業の育成に恵まれた條件を提供しているが、科學技術も不可欠だ。現地は中國スイカ界で唯一の中國工程院院士である呉明珠氏と「山東省院士活動ステーション」を設立し、中國農業科學院鄭州果樹研究所と施設スイカ品種研究開発センターを設立した。國家野菜工學技術研究センター、ドイツのバイエルなどの有名研究所?企業と協力し、新品種?新モデルを導入し、新技術?新成果の実験を行い、「火山農業」に新たな活力を注いでいる。
「獨特な火山灰土壌、特定の地形と地理、程よい気候條件、これに従來の経験と現代的な技術を加え、良質な火山農産品を育んだ」。中國地質大學(北京)の白志達教授は、ここでの模索と実踐により、中國火山農業の発展の道を切り開くことに期待を寄せている。(編集YF)
「人民網日本語版」2020年10月31日