アジアの文明は多種多様で、長い歴史を誇り、各國間の交流により、文明に「化學変化」も起きている。最近、湖北省武漢で上演された上海崑劇団の創作崑曲「椅子」もその一つだ。同作品は2016年に、日本の演出家?鈴木忠志氏の招待で、アジア演出家フェスティバルにおいて、日本や韓國などの若手演出家がこの腳本を基に、それぞれ演出してみせた。中央テレビ網が報じた。
「椅子」は、中日のアーティストの協力により生まれた新しい作品と言える。実際には中國の伝統演劇?戲曲は早くから、両國のアーティストをつなぐ友誼の架け橋となってきた。
創作崑曲「椅子」は、フランスで活躍した劇作家?ウージェーヌ?イヨネスコの不條理演劇「椅子」を原作としている。約2時間の公演では、ある名も知らぬ小さな島に住む孤獨な老夫婦が人生についての演説會を開き、2人は誰も座っていない椅子にむかって、滔々と演説していく。
鈴木氏は、「『椅子』は西洋演劇の不條理と東洋の絵畫的描寫法を融合させている。舞臺美術などほとんどない中で演じられるが、中國の戲曲の役者の演技力は並外れて高い」と絶賛する。
鈴木氏は、「中國のレジェンド京劇俳優?梅蘭芳(メイ?ランファン)はアーティスト?演劇を代表する最高峰」とリスペクトする。梅蘭芳は生前、日本公演に3度出演し、日本人に京劇の魅力を伝えた。
北京戲曲評論學會の■飛會長(■は革へんに斤)は、「梅蘭芳は當時、日本全國で話題をさらった。歌舞伎役者と京劇俳優が交流を初めて以降も、みんなが梅蘭芳の表現力は素晴らしいと感じ、最終的に良い関係を築くことができた。坂東玉三郎の祖父に當たる十三代目?守田勘彌も、梅蘭芳の友人だった」と説明する。