「リメンバー?ミー」
ディズニー/ピクサー最新作「リメンバー?ミー」(中國語タイトル:尋夢環(huán)遊記)が中國大陸部で現(xiàn)在公開中だ。同映畫の初日の興行収入はわずか1000萬元(約1億6880萬円)ほどだったが、次の日には4倍近くにまで跳ね上がった。多くの観客が、この映畫の中國語タイトルは誤解を生みやすく、「環(huán)遊記」というありふれたタイトルが良作であることを分かりにくくしている可能性があると指摘している。北京日報が伝えた。
ディズニーとピクサーが1990年代に製作した「トイストーリー」は、中國語タイトル「玩具総動員」として中國大陸部で上映された。その後、ピクサーのアニメ映畫の多くに、「総動員」がタイトルに使われており、「汽車総動員」(カーズ)、「超人総動員」(Mr.インクレディブル)、「海底総動員」(ファインディング?ニモ)、「美食総動員」(レミーのおいしいレストラン)などが挙げられる。そのほか、「海洋奇縁」(モアナと伝説の海)、「魔髪奇縁」(塔の上のラプンツェル)、「氷雪奇縁」(アナと雪の女王)のように、「奇縁」もタイトルによく使われている。「飛屋環(huán)遊記」(カールじいさんの空飛ぶ家)と今年上映された「尋夢環(huán)遊記」(リメンバー?ミー)は「環(huán)遊」をタイトルに使うという、ありふれた中國語タイトルの映畫になっている。
映畫タイトルのフレーズがたびたび重なってしまうという事情の背後には、配給會社の宣伝面での商業(yè)的な考えがある。映畫評論家の張小北氏は、「輸入映畫は配給會社が中國語タイトルを決めており、このようなありふれたタイトルにする理由は、ブランドの永続性をはっきりと示すため」と話した。言い換えると、このようなタイトルの翻訳により、中國の観客は新作映畫に対して「馴染みやすさ」を感じ、前作映畫のレベルを思い出させ、ある程度の興行収入を確保できるということだ。
また、映畫評論家の飛鳥氏は、「ピクサーやディズニーをよく知る観客にとっては、このような革新性のタイトルに不満を感じていても、多くの人が作品を見に行くという。その一方で、映畫の內(nèi)容や出品側(cè)に対してほとんど詳しくない観客でも、このような馴染みやすいタイトルのほうが、親近感が感じられる。宣伝側(cè)がメインターゲットとしているのが、このような観客だ」とし、「様々な観客の心理を総合的に考え、宣伝側(cè)は往々にして、このような『俗っぽいが確実に観客を呼べる』フレーズをタイトルに使う作戦を選ぶ」と説明した。
しかし、同じような平凡なタイトルを使用するのは、前作の評判に便乗できるというメリットは確かあるが、「前作と似ているような內(nèi)容から革新性がない」というイメージとなるデメリットも伴う。観客の劉新さんは、「尋夢環(huán)遊記」という中國語タイトルを見て、「夢を追いかける人々を勵ます平凡なストーリー」だと想像したが、実際にこの映畫で語られているテーマは「家族の絆」だ。劉さんは、「この作品にも『飛屋環(huán)遊記』と同じフレーズが使われており、タイトルのイメージと內(nèi)容がかなり偏ってしまい、タイトルからは作品の良さが全然伝わらなくなっている」と話した。
前出の張小北氏は、「どのような作戦を選んだとしても、タイトルは偏った內(nèi)容にせず、その映畫作品の特徴やストーリーのポイントを伝えられるものにすべき。映畫の內(nèi)容をうまく表現(xiàn)でき、しかも覚えやすいタイトルを考える必要がある」と指摘した。
(編集YK)
「人民網(wǎng)日本語版」2017年11月30日
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