蘭州大學大気科學學院の黃建平教授が率いるチームの最新の研究成果によると、タクラマカン砂漠が東アジアの砂塵の主な発生源とされてきたが、この認識には一定の誤解があるということだ。中國とモンゴルの間にあるゴビ砂漠こそが、東アジアの砂塵濃度の最も中心的な貢獻者なのだという。新華社が伝えた。
プロジェクト責任者、蘭州大學大気科學學院の陳思宇博士によると、科學者は近年、タクラマカン砂漠の砂塵について全面的かつ掘り下げた研究を行ってきたが、ゴビ砂漠の研究が依然として不足しており、その東アジアの砂塵濃度への貢獻の重要性を過小評価している。そこで研究者は數値シミュレーションを行い、タクラマカン砂漠とゴビ砂漠の東アジアの砂塵濃度への貢獻を定量分析した。
研究によると、タクラマカン砂漠は盆地に位置し、三つの方向を山に囲まれており、砂漠上空の風が弱い。そのため砂塵の移動に適しておらず、多くの砂塵は浮き上がった後、再び地表に落ちている。さらにタクラマカン砂漠の砂塵は高度4キロまで上がらなければ、偏西風帯によって長距離移動しない。そのため東アジア全體の砂塵への貢獻は少ないというのだ。ゴビ砂漠は中國とモンゴルの間に位置し、西はタクラマカン砂漠に接している。面積は13萬平方キロメートル。タクラマカン砂漠よりもなだらかで、標高が高い。南北の気流がその上空で交わり、風が強い。深く厚みのある対流の混合により、高空の気流の動きが下に伝わり、ゴビ砂漠の低?中層の風が強くなる。これはゴビ砂漠の砂塵の垂直移動を促す。強い偏西風の影響を受け、ゴビ砂漠の砂塵が運ばれやすくなっている。
陳氏は、「シミュレーションの結果によると、砂塵の移動量が毎年4500萬トンのタクラマカン砂漠と比べ、ゴビ砂漠は毎年5300萬トン以上となっており、東アジアで最も中心的な砂塵貢獻エリアになっている」と話した。(編集YF)
「人民網日本語版」2017年9月21日
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