「都市個性化文學」を牽引する日本の人気作家?阿部和重さんがこのほど、北京の三聯書店でトークイベントを開催し、中國の著名な學者?止庵さんと共に、中國版が刊行された中編小説「ニッポニアニッポン」や中日の文學作品をめぐってトークを展開。北京の文學愛好家にとっては読書文化をじっくり楽しめる時間となった。新華網が報じた。（記者 王珊寧）

今年10月、人民文學出版社から阿部さんの純文學作品「ニッポニアニッポン」の中國語版が刊行された。同作品は、少年が一人でトキを「救出」するというシンプルな內容であるものの、そこには深い意味が込められている。トークイベントでは、主人公の少年について、阿部さんと止庵さんがトークを展開した。阿部さんは、「日本は現在、引きこもる若者が日に日に増加するという社會問題が深刻になっている。そのような若者は、社會に出ることを望まず、毎日、家でパソコンをいじったり、漫畫を見たり、ゲームをしたりして過ごす。學校や仕事にもいかない。同小説ではそのような引きこもり少年である主人公が、社會とは関わらず、自由な時間がたくさんあり、時間があるとインターネットをし、いろんな幻想を抱く。一人の若者が現代の大都市で自分の場所を見つけることができず、自分とはかけ離れた存在のトキに拠り所を求める。そのような落ち付きのなさや反抗的な考えが日中両國の若者に見られる。中國の読者にも共感を覚えてもらえるはず」と語った。