2月1日、環球時報は、過激派組織「イスラム國」が人質として拘束していた日本人フリージャーナリストの後藤健二さんを殺害したとする動畫をインターネット上に公開したことを受け、テロ組織が人質に著せるオレンジ色の服の意味に関する中國の識者の意見を掲載した。
04年に殺害された韓國人の金鮮一(キム?ソンイル)さん、昨年殺害された米國人ジャーナリストのジェームズ?フォーリーさんなど、テロ組織が人質を殺害する際は決まってオレンジ色の囚人服のような衣類を著せている。後藤さんも動畫の中で同様の衣類を著用していた。
この意味について、中國現代國際関係研究院でテロに関する研究を行う研究者は、「オレンジ色自體に特別な意味はない。『オレンジ色の囚人服』と米軍との関連性がポイント」と指摘する。キューバにあるグアンタナモ米軍基地にはアフガニスタン紛爭で捕えたタリバンの構成員などが大量に収容されており、収容者はオレンジ色の囚人服を著用する。収容者への虐待が多発していることから、テロ組織が報復の意味を込めて人質殺害時にオレンジ色の服を用意したという見方だ。
このほか、01年9月の同時多発テロ事件後に米國が導入したテロ警戒システムと関係しているという見方もある。警戒レベルを5段階に分け、低い順に緑、青、黃、オレンジ、赤で示すというもので、オレンジ色は「テロ発生の危険度が極めて高い」というレベルだ。テロ組織が悪ふざけの感覚でオレンジ色を使用しているとも言われるが、この意見については「どうして直接、赤を用いないのか」と懐疑的な聲もある。
さらに、中國人民公安大學犯罪學學院の準教授は、イスラム教徒は緑、白、黒を尊い色とし、オレンジ色は宗教と関係ないとコメント。テロ組織がオレンジ色を選んだ狙いは、「人質殺害時に流れる血の色と鮮明なオレンジ色という視的効果で、見ている人に強烈な恐怖感を植え付けることにある」と説明している。
レコードチャイナ 2015年2月3日