年の変わり目を迎えて、自動車業界では、販売臺數や収益に著目した評価が盛んに行われている。だが自動車の売り上げには、自動車メーカーのブランドの力が大きくかかわっている。中國経済網が伝えた。
競爭相手のフォルクスワーゲンの中國での好調と比べると、世界最大の自動車市場である中國でのトヨタの業績は良い所がなかなか見つけられない現狀だ。その弱點は、製品や戦略、マーケティングなど様々な要素が考えられるが、その根本にあるのがブランド力の失墜である。
▽失墜するブランド力
世界経済の成長が鈍化する中、主要自動車市場の多くで成長率低下やマイナス成長の局面が現れている。だが長年にわたって世界最大の自動車販売市場である中國はその例外と言える。2013年の自動車販売臺數は2198萬臺で、前年比成長率は13.9%に及んだ。2014年の成長率はこれには及ばないが、7%近くを維持すると見込まれる。
世界の自動車メーカーの販売トップ3であるトヨタとフォルクスワーゲン、ゼネラルモーターズは2013年、世界市場でそれぞれ998萬臺、973萬臺、972萬臺を売り上げた。中國市場では同年、フォルクスワーゲンとゼネラルモーターズがそれぞれ327萬臺と316萬臺を売り、市場シェアはそれぞれ3分の1に達した。だがトヨタの中國での販売臺數は約92萬臺にとどまり、シェアは10分の1に満たなかった。
▽カムリ:色あせた人気ブランド 中國市場拡大の好機逃す
2004年、トヨタにとっての中國2社目の合弁會社「広汽豊田」が設立された。同社が2006年に打ち出した最初の車種「凱美瑞」(カムリ)は、発売からすぐに好調な売り上げを見せ、年間販売臺數は6萬臺を超えた。トヨタの中國市場でのシェアは6.6%に高まった。
2007年、トヨタの中國販売臺數は前年比61.6%増の45.29萬臺に達し、市場シェアは8.6%に高まった。翌2008年、市場シェアはさらに9.5%まで上がり、中國進出後のピークに達した。
中國の自動車市場は2009年と2010年に大きく発展したが、トヨタはこの好機を逃し、市場シェアを縮小させた。トヨタのシェアは2009年には7.5%、2010年には6.9%に下がった。トヨタのシェアは國産移行で一時上昇したが、この頃から下降期に入り、2013年のシェアは約5%にまで下落した。