アップル社は17日、中國電信(チャイナテレコム)をアップルのデータセンターのプロバイダーにしたことを明らかにした。これにより中國のアップルユーザーのデータが中國電信のサーバーに移されることになる。アップルが大陸部のサーバーを利用して顧客データを保存するのは今回が初めてのケースだ。「京華時報」が伝えた。
アップルによると、今回の措置は同社のクラウドサービス「iCloud」の速度と信頼性の向上に向けた取り組みの一部で、同サービスを利用すると寫真、メール、その他のデータを保存することが可能だ。できるだけ消費者に近い場所にデータセンターを設立することで、よりスピーディなサービスを提供できるようになるという。
ユーザーデータのセキュリティに関する懸念に対して、アップルは、ユーザーのセキュリティとプライバシーに対しては非常に厳格な態度を取ると表明。プロバイダーのサーバーに保存されたデータはすべて暗號化され、中國電信はこれにアクセスする権限をもたない。アップルが中國電信のサーバーに保存する暗號化キーはオフショア管理され、中國電信は利用できない。またメッセージサービス「iMessage」向けに暗號化システムを設計済みで、アップル自身でさえ暗號を解除することはできないと説明する。
業界関係者の分析によると、アップルの今回の動きはサービスの速度向上を目指す以外に、長期的な業務計畫とも関係がある。アップルはモバイル健康管理アプリケーション「HealthKit」をまもなく発表する予定だが、中國國家衛生?計畫生育委員會が今年5月に発表した「人口健康情報管理規定(試行版)」の規定によれば、「人々の健康に関する情報を國外のサーバーに保存してはならず、國外のサーバーに管理を委託したり國外のサーバーをレンタルして管理したりしてはならない」ことになっている。そこでアップルはこのたび大陸部にある中國電信のサーバーを選択し、健康情報業務であらかじめ手を打とうとしたと考えられるという。(編集KS)
「人民網日本語版」2014年8月18日