流行中のダイエット法「プチ斷食」は減量を促すだけでなく、代謝機能を改善し、炎癥を軽減するとされている。しかし、西湖大學の最新の研究によると、このダイエット法は活性化された毛包幹細胞のアポトーシス（細胞の自然死）を誘発し、毛包の再生と毛髪の成長を抑制するという。長期的なプチ斷食は、スタイル維持と毛髪量の間での選択を意味するかもしれない。この興味深い発見はこのほど、國際的に有名な學術誌「セル」に掲載された。文匯報が伝えた。

プチ斷食は「間欠的ファスティング」とも呼ばれている。比較的流行しているのは、1日のうち食事をしてもいい時間を8時間のみとし、殘りの16時間は食事をしないというもので、この方法は「16時間斷食」とも呼ばれている。論文の連絡著者で、西湖大學生命科學學院特別研究員の張兵氏によると、この研究はある偶然の発見から始まった。2021年夏に、科學研究実習に參加した學生が実験用のマウスに餌をやるのを忘れた。その後のサンプル採取と観察により、マウスの毛包幹細胞の多くにアポトーシスが生じたことが分かった。

この発見がきっかけとなり、張氏は研究を開始した。チームはまずマウスの毛を剃り、毛の成長狀況を観察した。研究によると、食事制限を受けないマウスは30日後に毛がほぼ完全に再生したが、「16時間斷食」の食事制限と、1日置きの食事制限を受けたマウスは、96日後になっても一部の毛しか成長しなかった。

張氏によると、動物のライフサイクルにおいて毛包は周期的に再生する。このプロセスは毛包內の幹細胞の働きかけによるものだ。毛の成長を抑制する主因は通常、毛包幹細胞が正常に活性化されないことだ。プチ斷食を行ったマウスの毛包幹細胞は、食事をしてもいい時間帯には正常に活性化されたが、食事を禁止される時間帯に大量のアポトーシスが生じた。その後、これらの幹細胞は食事と食事禁止のサイクルの中で活性化とアポトーシスを繰り返し、毛包の成長初期に滯りが生じ、正常に毛が生えなくなった。しかも食事禁止の時間が長いほど毛包再生への悪影響が顕著だった。最終的には、この活性化とアポトーシスの繰り返しにより幹細胞バンクが枯渇し、回復が困難な毛包再生障害が生じた。

マウスはプチ斷食によって「ハゲる」ことが分かったが、人間ではどうだろうか。研究チームはその後、49人の健康な若者に対し小型臨床試験を行った。その結果、同じような毛の成長抑制が人間にも見られた。毎日18時間の食事禁止を行うことで、毛の平均的な成長ペースが18％低下した。しかし、この効果についてはさらに大規模な研究によって裏付ける必要がある。

ただ、張氏はプチ斷食をする人が過度に心配する必要はないとしている。ビタミンEもしくは抗酸化剤を外用することで、食事禁止中の毛包幹細胞の生存を支援できるというのだ。張氏のチームは現在、今回の研究結果を利用し、人の毛包再生と成長加速を促進する新たな方法を模索している。（編集YF）

「人民網日本語版」2024年12月20日