「寺にもトレーニングジムができた。寺で32年修行しているが、初めてマッサージチェアを使うことができた」と話すのは、西蔵(チベット)自治區拉薩(ラサ)市尼瑪塘寺の僧侶?阿旺桑丹さん。最近、読経などの修行の合間に、トレーニングするのがお気に入りだという。尼瑪塘寺を取材すると、ステップマシン、腹筋マシン、ローイングマシン、吉韌卓(チベット伝統の卓上ゲーム、スヌーカーと似ている)など、現代的な機材やチベット伝統のスポーツ機材など十數臺が並んでいた。トレーニングジムには、酸素発生器も設置されており、毎日朝と夜の修行が終わると、僧侶たちが1‐2時間トレーニングをしているという。中國新聞社が報じた。
チベットの寺のスポーツ公共サービスを整備するため、2019年から、チベット自治區黨委員會統戦部と自治區體育局、自治區宗教事務局は各地(市)の各寺の実際の狀況に応じて、第一陣として寺150ヶ所に、7500萬元(1元は約15.10円)を投じて、僧侶がトレーニングできる環境を整えてきた。
阿旺桑丹さんは、「以前はトレーニングをしたくてもできる環境がなかったため、運動が好きな若い僧侶も、羽根蹴りをしたり、ジョギングをしたりするしかなかった。トレーニングジムができて1ヶ月余りになるが、もう4キロも痩せた僧侶もいる。経典を學ぶことも、體を鍛えることも、仏教が提唱していること。積極的に運動することで、身心ともに健康になり、長時間坐禪をする時も、體がだるくなったり、落ち著かなくなったりすることはなくなる」と話す。
チベット自治區山南市貢■県(■は口へんに戛)にある約一千年の歴史を誇る頓布曲果寺には、室內のトレーニングジムのほか、屋外にバスケットコートも新設された。ここで約5年修行している僧侶?呉金多吉さん(18)は、寺では名の知られたバスケットプレーヤーで、米NBAのレブロン?ジェームズ選手のファンでもある。
呉さんは取材に対して、「修行と運動のバランスをうまくとれば、修行をする時の集中力も増すし、背も高くなり、先輩たちとの仲も深まるため、師匠も僕たちがバスケットをするのを応援してくれている。頓布曲果寺はバスケットチームを作る予定で、自分がすでに必要なアイテムも全部購入済み」と話した。
チベット自治區宗教事務局によると、第一陣の寺150ヶ所を選ぶ時の唯一の條件は、関連の機材を設置する場所があることだった。僧侶たちは、「余暇の時間にできることが増えた。社會が発展し、より暮らしが良くなっていることを切実に感じる」と歓迎している。
チベットの寺にトレーニングジムを設置するプロジェクトの責任者によると、自治區全域でプロジェクトの約50%が完了。今後もトレーニング機材の配送、設置を加速させるほか、設置済みの器材のメンテナンスも実施し、今年7月末までにプロジェクトを100%完了させ、各寺の僧侶たちが楽しくトレーニングできるようにする計畫という。(編集KN)
「人民網日本語版」2020年5月19日