「天鯨號」はアジアで最大の規模と能力を誇る浚渫船(河川や港灣の土砂を取り去る船)であり、天鯨號をはじめとした先端技術を備えた自己航行式の浚渫船は「大國の象徴」と言えるだろう。
▽「こぶし」:泥を掘るように巖を削る
天鯨號の外観はまるで鋼鉄のヒーローのようで、巨大な體軀を今にも動かしそうな迫力を備えている。
中國には「聖王禹の治水」や「隋煬帝の運河建設」などの治水に関連した、有名な土木事業の歴史がある。かつての治水事業は人力を頼りとしていたが、今日では主に浚渫船を用いてそれを行う。
天鯨號には掘削と埋め立ての能力を備えているため、ネット上で「島造りの寶」と呼ばれている。島を造るのも埋めるのも自由自在だ。
天鯨號は1時間あたり4500立方メートルの海底混合物を掘り起こすことができる。それは標準的なサッカー場の広さの深さ50センチメートル分の巨大な穴に相當する。これは「こぶし」と名付けられている掘削ドリルの優れた働きによるものだ。天鯨號の元船長で、中國交通建設天津航道局海外事業部で副部長を務める王明安氏によると、掘削ドリルの直徑は2.8メートルと3.15メートルの2種類があるという。
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