中國人は日本人のこうした「1ヶ所で終わる」職業傾向を理解できないことが多い。日本人には開拓の精神がないのだろうか。確かに、他の文化の人生観で日本人の「人生設計」をながめると、無味乾燥のつまらない人生のようにみえる。「開拓」ではなく「安定」を奨勵する考え方は、現在の日本社會では主流を占める。メディアで時々創造開拓を奨勵するとの文言をみかけるが、多くの人々は安定と安全の追求を生活信條としている。
だが日本人に開拓を志す遺伝子が全くないとは言えない。トヨタ、パナソニック、ソニーを代表とする日本企業は創業?成長の過程でリスクを恐れず、自ら打って出て、新たな境地を開拓した。とはいえ、こうした企業の創業當時は日本社會が不安定だったり混亂していたりする時期で、日本社會は均質化のレベルが低かった。人々が冒険を恐れなかったのは、冒険しなくとも、身の回りにリスクが転がっていたからだ。
第二次世界大戦後の混亂期を乗り越ると、経済建設の成功によって、日本社會は均衡レベルが非常に高い安定した社會になり、均質化レベルも上昇した。これと同時に醫療水準が向上し、平均壽命がどんどん延び、社會構成員の平均年齢も上昇を続け、社會の高齢化が進んだ。このような社會では主流の共通認識が絶えず保守化に向かう。
社會の均質化レベルが上昇を続ける時期に大學を卒業する學生たちは、職業選択にあたって冒険の少ない道を選ぶのが正解だ。1980年までは確かにそうだった。當時、企業間の開きは今より小さく、大學教育の普及レベルも現在より低かった。大卒者は希望の職業やポストを比較的容易に手に入れることができた。
だがその後、バブル経済が発生し、崩壊し、高等教育も普及し、こうした要因が日本の學生の職業観に影響を與えた。
こうした時期に學生たちはたくさんの事例をみてきた。経営不振により市場から淘汰された多くの企業、経営不振やその他の原因によって企業から淘汰されたさらに多くの従業員をみてきた。
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