フランス?パリで13日夜に同時テロがあり、非常に多くの人々が死傷した。(文:蘇暁暉?中國國際問題研究所國際戦略研究部副主任。人民日報海外版コラム「望海樓」掲載)
テロはG20サミットの開催前夜に起きた。中國の習近平國家主席はサミットへ出発する前にフランスのオランド大統領に見舞い電報を送り、この野蠻な行為を強く非難し、不幸にもなくなった人々に深い哀悼の意を表し、負傷者と遺族に心からの見舞いの意を表した。トルコ?アンタルヤに到著すると同國大統領と會談し、國際社會が協力を強化して、共同でテロリズムに打撃を與える考えで一致した。今回のG20サミットでも、一部參加國が対テロを議題とすることを提案している。
米同時多発テロ以降、各國は対テロの取り組みを強化し、積極的な進展を得てもいる。だがテロリズムは依然一掃されないばかりか、反対に近年勢いを盛り返しつつある。米國務省の今年5月の報告によると、2014年に世界で起きたテロは昨年比35%増加し、死亡者數は81%増加した。テロは95カ國で起き、中東、南アジア、西アフリカで被害が深刻だ。パリ同時テロの前日、レバノンの首都ベイルートで自爆テロが2件発生し、少なくとも43人が死亡し、240人が負傷した。対テロは非常に厳しい狀況にあり、テロリズムが世界平和を深刻に脅かしていることが分かる。
対テロは一國の事ではなく、國際社會が協力して対処する必要がある。テロは非伝統的安全保障上の試練に屬し、國や地域を跨ぐ性質があり、自らの力だけで対処できる國はない。各國は共通の安全保障の理念を強化し、安全保障協力を繰り広げなければならない。國際テロの新たな特徴と変化を前に、國際社會は新たな考えと措置を打ち出す必要がある。情報収集?共有の強化、テロリストが情報を拡散し、國境を越えて逃亡し、テロ資金を調達するルートを斷ち切ることなどだ。
対テロは利己的であってはならない。西側の一部の國はダブルスタンダードであり、悪質な事件を非難せず、白黒を逆さまにして、他國の宗教政策を非難することに慣れている。どうしてもテロリズムを特定の國家、民族、宗教と結びつける國もある。こうしたやり方は安全を守る助けにならず、反対にテロを助長し、最終的に自らに被害が及ぶことになる。