今年も國慶節(建國記念日、10月1日)に合わせた連休がやってきた。大都市に引っ越したばかりの人の多くは、連休中に実家に帰る予定を立てている。「都市への帰屬意識は、そこに住む人が幸福感を感じ、留まりたいと感じるかどうかの前提となる」と言われる。広州市民の都市に対する帰屬意識はどの程度だろう?中山大學ビッグデータ伝播実験室はこのほど、中國初となる「中國超大都市 帰屬意識調査報告書」を発表した。同報告書によると、中國の7つの超大都市のうち、住民の帰屬意識が最も高かったのは重慶、2位は上海、広州市は3位だった。都市の受け入れ度の指標では、広州が最高だった。新快報が伝えた。
居住期間が長い人であれ、短い人であれ、都市に対する「帰屬意識」には、その人自身の狀況と外的環境が反映される。中山大學伝播?設計學院の張志安院長は、「市民の都市に対する帰屬意識は、その都市のソフトパワーを評価する最も重要な指標だ。この報告書を通じて、研究者、都市管理者に新しい視野を提供したい」と述べる。
今回、都市への帰屬意識を測るための4つの項目として、▽文化的帰屬意識▽身分的帰屬意識▽地位的帰屬意識▽地域的帰屬意識??が確定された。アンケート収集アプリの「問巻寶」などを通じて全國のネットユーザーを対象にアンケートを行い、計15萬971件の回答が集まった。回答者は中國の全ての省?市?自治區を網羅し、うち、常住人口が1千萬人を超える超大都市(上海、北京、天津、広州、武漢、深セン、重慶)の住民の回答は2萬2991件に上った。
報告書によると、重慶市民の帰屬意識は76.24ポイントで7都市のうちトップ、上海が2位、広州が3位だった。報告書を作成した何凌南博士によると、7都市の帰屬意識はいずれも全國水準を上回ったという。
○帰屬意識、都市の経済発展水準とは必ずしも一致せず
プロジェクトチームの責任者で、中國社會科學院社會學研究所研究員の楊宜音氏は「7つの超大都市の住民の帰屬意識は、その都市の経済発展水準と一致したわけではなかった。北京?上海?広州の一線都市の経済発展水準の高さは言うまでもないが、これらの都市の帰屬意識はトップではなかった。4つの項目別に見ても、上海が地域的帰屬意識で1位、広州が地位的帰屬意識で1位になったのみだった」と語る。
このことから、経済発展は市民の幸福感を犠牲にするべきではなく、都市居住者の心理面と適合度を重視する必要があることがわかる。プロジェクトチームは、都市のインフラと生態環境を改善し、住民の生活の質を保証するよう建議したほか、「ビッグデータの時代、より先進的な方法で住民の意見に耳を傾け、問題に正確に対応することで、政府の意思決定コストを効果的に引き下げることができる」と指摘した。(編集SN)
「人民網日本語版」2015年9月30日