各國の中央銀行が最近、人民元建決済銀行をこぞって設立し、人民元オフショア決済センターになることを目指している。人民元國際化の加速と、中國経済と金融の実力の強化に伴い、人民元が準備通貨になることが必然的な流れになっている。専門家は、「人民元の國際的な地位の持続的な向上の根本的な原因は、中國経済と金融の実力の強化だ。改革ボーナスもまた、人民元の地位固めに持久力を與えている」と指摘した。人民日報海外版が伝えた。
◆各國が人民元を爭奪
新たな人民元決済銀行が8月26日、歐州の金融の重鎮であるフランクフルトに正式に設立され、人民元國際化の新たな節目となった。ドイツ銀行の調査によると、調査を受けた企業の80%が、可能であるかぎり人民元の直接取引を行い、決済をスピーディーにし、経営リスクを回避したいと回答した。
これまで各國の中央銀行が、人民元の爭奪戦を展開してきた。韓國銀行は中國と7月3日に、人民元建決済に関する協力の覚書に調印した。フランス銀行、ルクセンブルク中央銀行は中國と6月29日に、人民元決済計畫で合意に達した。中國銀行とオーストラリア証券取引所(ASX)が共同開発した人民元建決済システムが7月28日に正式に稼働開始し、人民元はオーストラリア現地の決済システムに組み入れられた初の外貨となった。
業界関係者は、「どのような通貨であっても、それに対する需要はその確かな地位を示す」と指摘した。國際銀行間通信協會(SWIFT)の最新の統計データによると、人民元は世界2位の國際貿易?融資通貨、世界7位の支払通貨になった。人民元支払総額は2014年上半期に、世界全體の1.55%に達した。世界の50以上の中央銀行が、人民元を準備通貨にすることを積極的に検討している。
人民元が各國の中央銀行から人気を集めているのは、各國の中國経済に対する自信が原因となっている。首都経済貿易大學金融學院院長の謝太峰氏は本紙に対して、「人民元が注目され、需要が生じているが、これは中國の現在の経済力と発展の勢いを示している。人民元のみならず、各通貨の地位の基本となっているのは、その國の経済?金融の実力だ。米ドルが世界通貨になったのは、米國が戦後世界一の経済?金融?技術力を持ったからだ」と分析した。