ベトナム共産黨のレ?ホン?アイン政治局員が26、27両日に中國を訪問する。中越両國ともに関係改善を望んでいる。（文：華益聲?國際問題専門家。人民日報(bào)海外版コラム「望海樓」掲載）

　中國側(cè)としては、中共中央がベトナム共産黨の重要人物をグエン?フー?チョン書記長の特使として招待することで、両國の意思疎通、交流の重要なチャンネルが設(shè)けられた。今年5月以降、南中國海で中國の海底油田掘削裝置（オイルリグ）をベトナム側(cè)船舶が大々的に妨害したこと、ベトナム國內(nèi)の襲撃事件で中國企業(yè)が損害を被り、中國人が死傷したことで、両國関係は深刻に損なわれた。こうした中、黨間交流が両國関係の緊張を緩和し、修復(fù)するルートの1つとなっている。中國共産黨はベトナム共産黨を含むアジアの各政黨との交流強(qiáng)化に長年盡力し、周辺國との善隣友好関係の促進(jìn)を取り組みの重點(diǎn)としている。中越両黨間にはすでに一定の信頼が築かれている。

　ベトナム側(cè)としては、レ?ホン?アイン政治局員の訪問を前に、ベトナム外務(wù)省が積極的なシグナルを発し、良好な雰囲気を醸成した。ベトナム側(cè)は中國企業(yè)と中國人労働者を狙った事件について遺憾の意を表明し、中國人労働者に死傷者が出たことに心を痛めているとした。また、殺害された中國人労働者に対して一定の人道的補(bǔ)償を行うと共に、訪中して遺族代表を見舞うと表明した。さらに、被害を受けた企業(yè)に対して各種支援政策?措置を講じ、引き続き事件について真剣な捜査を行い、違法行為を働いた者を厳重に処罰し、中國人労働者、中國企業(yè)の安全を確保するとした。

　レ?ホン?アイン政治局員の訪中には一定の土臺(tái)もある。中越はすでに様々なチャンネルを通じて意思疎通を行ってきた。ハイレベル交流面では、5月のアジア信頼醸成措置會(huì)議首脳會(huì)議時(shí)に、習(xí)近平國家主席がベトナムの指導(dǎo)者?グエン?ティ?ゾアン氏と會(huì)談した。6月には楊潔チ國務(wù)委員がベトナムを訪問し、ファム?ビン?ミン副首相兼外相と中越二國間協(xié)力指導(dǎo)委員會(huì)首席代表會(huì)合を行った。すでに両國は二國間関係に影響を與える重要な問題について意見を交換した。レ?ホン?アイン政治局員の今回の訪中によって、相互理解と両國関係のプラスの発展が一段と促される。

　だが、南中國海問題は依然として中越関係を妨げる深刻な障害だ。ベトナム外務(wù)省は、レ?ホン?アイン政治局員の訪中は、オイルリグ事件の再発防止を確保するためだと主張している。ベトナムの一部高官は、中國が「海洋覇権の野心」を放棄することはないとの理由で、今回の訪中の見通しに疑問を呈している。中國側(cè)の働きかけを受けてベトナムが國際仲裁手続きを斷念することを懸念するベトナムの學(xué)者もいる。西側(cè)メディアはこれを機(jī)に再び南中國海紛爭を騒ぎ立て、ベトナム國內(nèi)の反中感情を誇張し、米越が南中國海で中國を念頭に置いた協(xié)力を強(qiáng)化することを示唆している。

　一部勢力は一種の「規(guī)則」を定めようと試みている。つまり中越関係の発展は南中國海紛爭の解決を基礎(chǔ)としなければならず、紛爭解決には中國が利益を犠牲にし、妥協(xié)することが必要というものだ。この不當(dāng)な要求によって、南中國海問題を利用して中越関係を悪化させようとする一部の者たちの腹黒い魂膽が露呈したのは明らかだ。

　すでに中國はこの危険な傾向を察知している。中國の姿勢と立場はこれまでと全く同様だ。まず、中國が海洋覇権という古い道を歩むことはあり得ない。同時(shí)に、中國には領(lǐng)土主権という核心的利益を守る揺るぎない決意があり、波風(fēng)を立てぬよう域內(nèi)外の勢力に警告する。ベトナムは自國の発展には中國が不可欠であり、中國の発展がベトナムにかけがえのないチャンスをもたらしていることを認(rèn)識(shí)すべきだ。中越関係の発展は雙方にとって利益となる。南中國海問題イコール中越関係ではない。「不平等條約」締結(jié)を中國に強(qiáng)いることを妄想してはならない。さもなくば、中越関係は誤った道に引き込まれ、協(xié)力?ウィンウィンという大局が損なわれるだけだ。（編集NA）

　「人民網(wǎng)日本語版」2014年8月27日