資料寫真
「パンダブーム」の再來で、四川省の成都ジャイアントパンダ繁殖研究基地が人気の観光地になり、パンダ人気は成都市の経済にも火を付けた。オンライン旅行予約サイトのQunar.Comでは、3月以降の成都行き航空券の予約件數が2019年同期比で20%増加した。成都だけでなく、パンダに関わりがある他の場所も注目度が上昇し、海南熱帯野生動植物園などは入場者が大幅に増加し、「パンダの兄弟」を一目見ようとやって來た人が相當な割合を占めるという。
パンダのファン達はもちろん海外にいるパンダのことも忘れていない。海外のパンダは友好の使者の役割を擔うだけでなく、可愛いイメージで多くの観光客を呼び込み、「パンダブーム」を起こし、現地の観光と経済の発展に一役買っている。
資料寫真
「熊貓三寶」が韓國エバーランドに活気
「K-Popアイドルのことは忘れよう。今年『一番可愛い子』の初登場だ」。2021年1月、韓國で生まれたパンダ「福寶(フーバオ)」が初めて一般公開される時、韓國紙「中央日報」はこんな見出しで報道した。生まれたときから注目度が非常に高いこのパンダの赤ちゃんを、多くのネットユーザーに「養成系アイドル」とユーモアを交えて呼ばれている。誕生以降の重要なタイミングはすべて記録され、數えきれないほどのファン達が、「福寶」が200グラムにも満たない赤ちゃんパンダから、現在のようなエネルギッシュでひょうきん者の「女の子」へと成長する様子をずっと見守ってきた。
「福寶」の1歳の誕生日に、韓國のテーマパークのエバーランドはファンに呼びかけて「福寶コンテスト」を開催した。參加者は「福寶」の手蕓品、漫畫、歌などのオリジナルコンテンツをアップすることができる。コンテストでは全部で855作品が寄せられた。またアニメキャラクター「熊貓三寶(三つ子のパンダ)」は韓國の人気動物バラエティ番組「TV動物農場」にたびたび登場し、今や韓國では知らない人のいない動物界の大スターだ。エバーランドはクラウドファンディングのサイトでこの「熊貓三寶」グッズのクラウドファンディングを行い、これまでの數回はすべて目標額以上を達成。「福寶」マークの入った日記帳の企畫では3900萬ウォン(約394萬円)が集まり、目標額の20倍近くに達した。
韓國メディアの報道によれば、エバーランドがある韓國の龍仁(ヨンイン)市は観光PRでパンダの果たす役割を重點的に取り上げたことがある。當時の市長は「福寶」の飼育員に「観光振興功労者」のメダルを贈り、パンダの繁殖によって現地の観光産業の発展に大きく貢獻したとたたえた。
資料寫真
日本上野の「香香」 1頭で侍ジャパンと並ぶ
日本の上野動物園で生まれた「香香(シャンシャン)」は、今年2月21日にチャーター機で故郷の中國?四川省に帰り、多くの日本人が涙ながらに見送った。実際、「香香」は17年6月の誕生以來、日本人の愛情をたっぷり受けてきた。
テレビ東京の報道によれば、「香香」は生まれてから100日目に一般公開され、當時は観覧希望者が多すぎて、抽選に當たった人しか観覧できず、當選確率は一時144分の1に達した。17年の同園の來園者は前年比で17%増加し、18年は同約10%増の延べ約340萬人だった。園周辺の商業施設も大きな恩恵を受けた。関連グッズを販売していることから、インフォメーションセンターの上野案內所も人気のスポットになった。
日本の関西大學の宮本勝浩名譽教授は、「『香香』がもたらした経済効果はおそらく600億円から650億円になるだろう」との見方を示した。比較してみると、野球日本代表(侍ジャパン)が第5回WBC(ワールド?ベースボール?クラシック)での優勝は、約650億円の経済効果をもたらすとの試算がある。しかし侍ジャパンには約30人の選手がいるが、「香香」はたった1頭でほぼ同じ経済効果をもたらすのだ。
資料寫真
スコットランド「パンダとお別れ」グッズがあっという間に売り切れ
スコットランドのエディンバラ動物園で暮らして12年になる「陽光(ヤングアン)」と「甜甜(ティエンティエン)」が、今年10月末に中國に帰ることになった。お別れを記念して発売されたグッズはあっという間に売り切れたという。
11年1月、2頭は機體にパンダがペイントされた専用機「FedEXパンダエクスプレス」に乗って英國にやって來た。同園で暮らすようになると、現地の飲食産業と観光産業に大きなリターンをもたらした。同園のまとめた統計では、2頭がやってきた年に年間來園者數はそれまでの約53萬人から81萬人に増加した。それから10年間、同園はスコットランドでエディンバラ城に次いで観光客の多い人気スポットになった。
スコットランド王立動物學會の最高責任者のデビッド?フィールド氏は、「『陽光』と『甜甜』は英國唯一のペアのパンダで、100萬人単位の人が2頭を見にやって來たことは、このあたりの野生動物保護基金にとって直接的な大きなサポートになった」と述べた。
やや殘念なことに、同園のたびたびの努力にもかかわらず、「陽光」と「甜甜」は次世代を産み育てることはできなかった。経済的観點から見ると、パンダの赤ちゃんは現地に少なくとも4800萬ポンド(1ポンドは約160.0円)の利益をもたらすことになる。フィールド氏は、「2頭のパンダは生物多様性を保護することがどれほど困難で貴重なことであるかを外部の世界に伝えるものであり、生態保護の重要性を人々に認識させるものだ」との見方を示した。(編集KS)
「人民網日本語版」2023年3月27日