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米國式人権の幻像を打ち砕く銃聲 根絶困難な銃暴力

人民網日本語版 2022年05月17日15:38

5月14日、米國で再び銃暴力の悲劇が演じられた。ニューヨーク州バファローのスーパーマーケットで18歳の白人の男が発砲し、少なくとも10人が死亡し、3人が負傷した。犠牲者の圧倒的多數はアフリカ系で、警察當局は「人種的動機による暴力的過激主義」の銃亂射事件であるとした。ワシントン?ポスト紙は、今年に入り米國で起きた最悪の銃亂射事件であり、近年のヘイトとレイシズムに根差す殘虐行為でもあると指摘した。(人民日報「鐘聲」國際論評)

非営利団體「Gun Violence Archive」のサイトに掲載された統計によると、米國の銃撃事件による死者數は、2019年の3萬9558人から2020年には4萬3643人、さらに2021年には4萬5005人にまで増加。今年は5月16日時點で、すでに1萬6058人が銃関連事件で命を落としている。

米國において銃暴力が根絶困難であることの根底には、利益団體と政治屋との金銭的つながりがある。米國がすでに25年以上も重要な銃規制法を成立させられずにきたのは、銃関連の利益団體が政治選挙で多額の獻金をし、政治屋へのロビー活動によって政策を操って來たからだ。ワシントン?ポスト紙によると、米國各地で大規模な銃亂射事件が相次いだ2019年、共和黨政権は民主黨と協力して銃規制法の制定を推進することを検討したが、全米ライフル協會(NRA)がホワイトハウスに數10回にわたって電話を立て続けにかけたため、共和黨は銃規制推進による支持率への影響を懸念して、銃規制を斷念した。現政権も銃規制問題において同様に掛け聲ばかりで行動が伴わず、「ゴーストガン」を監視する新たな規制をようやく打ち出したのは今年4月のことであった。しかし、この規制一つでさえも共和黨員からは批判され、いくつかの銃擁護団體は新規制に対して訴訟を起こすとまで表明した。金権政治によって政治屋が利益団體と癒著し、政治屋同士が銃規制問題で非難し合い、足を引っ張り合っている間に、民衆はその代償を命で払っている。銃規制を主張する活動家は首都ワシントンD.C.で先ごろ、1100以上の黒い遺體袋を英語のフレーズ"thoughts and prayers"(「思いと祈り」。犠牲者を悼む言葉)の形に並べた。これは、米國の政治屋が銃亂射事件発生後に型通りの行動しかせず、千篇一律の発言しか行わなかったことへの風刺である。

銃暴力が根絶困難であることには、米國のガバナンスが機能していないことが集中的に體現されている。米國メディアの分析によると、近年の全米の銃撃事件を見ると、単なる治安上の事件から、ヘイトクライムやレイシズム、貧富の二極化が引き起こした過激な事件にいたるまで、米國のガバナンスに存在する多くの難題が反映されている。ハーバード大學ケネディスクール上級研究員のThomas Abt氏の研究によると、米國の殺人事件の4分の1以上は、米國人口のわずか1.5%を占め、深刻な貧困、低い教育水準、深刻な人種差別を特徴とするコミュニティで発生している。「銃暴力を解決するには、政府が大規模に介入し、社會的不平等、レイシズム、貧困を含む多くの問題を解決する必要があるが、米國政治の二極化という現実的制約から、これはほぼ実現不可能だ」。

生命権は最大の人権だ。銃聲が鳴り響くたびに、米國の言うところの「全ての人が生命と自由について不可侵の権利を有する」という人権の幻像は打ち砕かれ、米國式人権についての深い再考を人々に促すのである。數多くの罪なき命が失われてもなお銃規制を推進できないのなら、それは米國式民主主義の質を疑うに足る理由となるだろう。(編集NA)

「人民網日本語版」2022年5月17日

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