正月用品と「メタバース」が結びつくと、どんな火花が飛び散るだろうか。中國新聞網が伝えた。
一定期間に數量限定で発売され、発売されるとすぐに売り切れる……今年はある特殊なクリエイティブグッズが正月用品市場で新たな人気商品になった。従來のクリエイティブグッズと異なるのは、この新顔はスマートフォンで直接鑑賞できるだけでなく、一攫千金も夢ではないという點にある。
一體どんな「神秘的な商品」なのだろうか。
NFTコレクションに濃厚な「お正月ムード」
林さん(仮名)は春節(舊正月、2022年は2月1日)の大晦日に當たる1月31日に目覚まし時計をセットして、保利蕓術博物館が発売するNFT (非代替性トークン)コレクションのデジタルアート「円明園の虎首頭像」を購入しようと待ち構えていたが、買えなかった。「殘念だった。なんとなく見ていて目新しくて面白かった。そして、虎首は円明園の重要文化財で、今年の干支もちょうど虎なので、コレクションする意義があると思って買おうと考えていた」と林さん。
このように発売時間に合わせ、競うように購入しなければならないNFTとは一體何なのか。
説明によると、NFTコレクションとはブロックチェーン技術をベースにしたデジタルデータの暗號資産で、デジタルアート、動畫、音楽、3Dモデルなどのアート作品?商品に唯一無二の本物であることを証明する「デジタル証明書」を発行することにより、デジタルクリエイティブグッズを獨自の體験を含んだ収蔵する価値のある特殊な「コレクション」にするという。
2021年はメタバース人気にあやかって、NFTコレクションの人気も徐々に上昇し、阿里巴巴(アリババ)、騰訊(テンセント)、京東、網易などの大手インターネット企業が相次いで展開を進め、一連のNFT発行プラットフォームを生み出すとともに、アート、ゲーム、トレンド玩具、公益、無形文化遺産など複數の分野をカバーしている。
寅年の春節にあたり、NFTコレクションと「虎」との連攜がより集中的になり、濃厚な「お正月ムード」を醸し出すようになった。前出の円明園の虎首頭像だけでなく、虎関連のNFTコレクションには、中國國家博物館の「虎鎣」、湖南省博物館の「四虎銅鎛」、河北省博物館の「錯金銀銅虎噬鹿屏風座」、甘粛省博物館の「白虎十大戦神」シリーズ、瀋陽故宮博物院の「新年納福デジタル如意」シリーズなどがある。
初の「宇宙から祝う中國のお正月」を記念して、中國宇宙建設集団のクリエイティブブランドの航天文創(CASCI)もNFTのデジタルコレクション「宇宙中國年」と「天和コアモジュールデジタル宇宙ステーション」を各限定1萬點発行することとし、取引プラットフォームで同時に発売した。
こうしたNFTコレクションの価格は異なり、數十元(1元は約18.1円)ほどのものから100元ほどのものまでさまざまだが、どれも完売している。
一攫千金もできるか?
人々がNFTコレクションを爭って購入するのはなぜか。前出の林さんの言う「目新しくて面白い」という感じのほか、多くの長期的にNFTコレクションに注目する人は今後の値上がりに期待するから購入している。実際、「円明園の虎首頭像」の発売に先立ち、「このコレクションはこれから長く人気が続くだろう」とSNSで予言した人がおり、売り切れになってから第三者への譲渡が可能になる前に、中古品取引プラットフォームでは早くも「購入希望」の聲が上がっていた。
購入者は値上がりを期待するが、これに確かな根拠があるわけではない。21年6月、アリババと敦煌美術研究所が共同で敦煌飛天と九色鹿をモチーフにしたQRコードの著せ替えスキンを、それぞれ限定8000個で発売した。その後、この2種類の価格わずか10ポイント+9.9元のスキンが中古取引の閑魚で高値で取引され、150萬元まで値上がりしたこともあり、最終的に緊急的に出品が取り下げられることになった。
敦煌飛天の高騰する取引価格が、多くの傍観者の心を動かしたことは間違いない。しかし方向性を持ったコレクションに比べ、多くのNFTコレクションを購入する人はよくわからない狀態で買っている。「いろいろ買ってみたけれど、何の役に立つかよくわからない」というのが、多くの購入者の本音だろう。
業界関係者は、「NFTコレクションの価値は主に知的財産権の価値と稀少性によって決まる。しかし現在の中國國內のNFTコレクション市場はまだ萌芽の段階にあり、購入者が『損をするだけの無計畫な投資家』になるのか、『勝者』になるのか、今はまだ未知數だ」と話した。(編集KS)
「人民網日本語版」2022年2月8日