中國で全國炭素排出権取引市場が7月16日に開設されてから、8月23日時點の炭素排出枠(CEA)の累計取引量は794萬トンを超え、累計取引額は3億9300萬元(1元は約17.0円)に達した。全體として取引価格が安定的に上昇し、市場の運営も安定していたが、取引量はさらなる「活性化」が求められる。人民日報が伝えた。
全國炭素市場の排出枠取引は1トンあたり48元でスタートし、これまでの最高取引価格は同61.07元、最低は同48.00元で、価格変動幅は相対的に大きくなかった。
全國炭素市場の最初の契約履行周期には電力業界の重點炭素排出企業?機関2162ヶ所が組み込まれ、二酸化炭素(CO2)の排出量は年間約45億トンに達する。同市場の営業を行う上海環境エネルギー取引所の関係責任者は、「全國炭素市場の運営初期には、取引の主體は重點管理対象の企業が中心になり、取引されるのは排出枠の現物取引で、取引方法は合意による譲渡と一般的な入札を中心とし、市場全體の取引量はそれほど多くない」と述べた。
全國炭素市場の現在の取引規模が大きくない原因は2つある。1つ目は、市場が開設されたばかりで、取引に參入する企業が少ないこと。もう1つは、地方の炭素取引市場に參入したことのある企業を除き、大多數の企業が炭素市場に不慣れでよく理解しておらず、炭素の管理経験が乏しいことだ。
上海取引所は、取引規模を拡大するために関連措置を打ち出すという。それには、より多くの企業の市場參入の推進、取引回數の増加、炭素資産管理能力の構築?育成の加速が含まれる。同取引所は今後、▽制度體制を整備し、市場のカバー面を拡大し、條件を満たした投資家の參入を誘致する▽流動性提供者のメカニズム構築を模索する▽割當メカニズムを最適化し、有償割當を徐々に増やす▽製品のイノベーションを緩やかに推進し、先物取引を打ち出し、多層的な製品で構成された市場を形成する、としている。(編集KS)
「人民網日本語版」2021年8月30日