日本は1年で最も大切なお正月シーズンを、「最もなじみのある外國人」にとことんかき回されることになった。よく知られる日産自動車の前會長カルロス?ゴーン氏のことで、日本での保釈中に逃亡劇を繰り広げ、プライベートジェットで遙か遠い中東のレバノンへ飛び、現地で「私は今レバノンにいる」との聲明を発表した。日本側はこの発表を受けて初めてゴーン氏がいないことに気づいたという。中央テレビニュースが伝えた。
実際、劇的な逃亡の経緯だけでなく、逃亡後にどうなるかがより重要だろう。
日本は元々、年內にも裁判を始める予定だったが、ゴーン氏不在で裁判は行えるのだろうか。
日本の外務省幹部は、「日本とレバノンは犯罪人引き渡し條約を結んでいないので、相手國が同意しなければ、日本への引渡しは不可能だ」と述べた。
ゴーン氏はフランス、レバノン、ブラジルと3カ國の國籍をもち、現時點でレバノンとフランスはゴーン氏を日本へ送還するつもりはない。
レバノン外務省が19年12月31日に発表した聲明では、「ゴーン氏がレバノンに合法的に入國したことを確認した」という。レバノン公安総局は、「ゴーン氏がレバノン國內でいかなる訴訟の対象にもならないことを確認した」との聲明を発表した。
フランス経済?財務省のアニエス?パニエ=リュナシェ副大臣は1月2日、「ゴーン氏がフランスに戻るなら、フランスは送還することはない。フランスはフランス國籍をもつ國民を送還したりしないからだ」と強調した。
ゴーン氏は日産にとっても日本自動車業界にとっても、秘密をたくさん知っている人物だ。これから行われる會見で日本自動車業界にとってマイナスの情報を明らかにするのだろうか。日本側はこのような潛在的脅威を、ゴーン氏がどのように逃亡したかよりも懸念している。