フランス國営ラジオ放送局のRFI(ラジオ?フランス?アンテルナショナル)の公式サイトがスイスNZZ紙の報道を引用して伝えたところによると、スイスを訪れる中國人観光客は今年1月~4月に大幅に減少した。これにより、スイス時計産業の販売にも影響が出ている。ビザ申請手続きに伴う生體認証登録の開始、フランスを襲ったテロ、中國経済の低迷などが中國人観光客減少の原因になったと見られている。參考消息網が伝えた。
スイスで「スイスメイド」のロレックスやオメガの腕時計を購入することは、中國人にとって非常に「自慢できる」ことだ。スイスの観光客のうち、中國人はスイス人、ドイツ人、米國人、英國人に続く第5位となっている。中國人は太っ腹で、1人1日當たりの消費額は350スイスフラン(約3萬9千円)に達している。
しかし、今年1月~4月にスイスを訪れた中國人観光客は激減した。スイスでの中國人宿泊者數は今年2月、20%ほど減少した。中國人の好む観光地であるルツェルン、インターラーケンを訪れた中國人観光客は、今年第1四半期にそれぞれ13%、15%減少した。これはこれまでになかった現象だ。過去10年で、スイスを訪れる中國人観光客は大幅に増え、スイスでの中國人宿泊者數は2015年にのべ140萬人に達した。中國人は多くのスイス時計にとって最も重要な顧客でもある。例えばルツェルンでのブヘラの販売の半數以上は中國人観光客によるものだ。中國人観光客の減少により、スイスの時計やジュエリー業界も影響を受けている。
中國人が減ったことは、昨年10月よりシェンゲン圏へのビザの発行に際し、生體認証情報を登録するシステムが導入されたことと関係がある。申請者は自らビザ申請センターを訪れ、本人の生體認証データを提供しなければならない。今年初め、オーストリアやベルギー、ギリシャは中國に15カ所のビザ申請センターを設置していたのに対し、スイスはわずか3カ所しかなかった。ビザ問題の解決に向け、スイスは新たに3カ所のビザ申請センターをオープンさせ、さらに9カ所の追加を申請中だ。
このほか、パリのテロ事件や中國経済の減速なども中國人の海外旅行意欲を削いでいる。スイス観光局は、今年同國に宿泊する中國人観光客の増加率はわずか5~7%にとどまると予測する。ちなみに、昨年の増加率は約33%だった。(編集SN)
「人民網日本語版」2016年5月11日