19日付河南商報で「80歳老人から寄せられた『南京大虐殺』報道をめぐる手紙」に関する記事が報じられると、多くの人が南京大虐殺に関して自分が覚えていることを思い出そうとした。河南商報と河南百度が共同で実施した「記憶に関する調査」の結果、「南京大虐殺が発生した時期をはっきりと覚えていない」と答えた人が8割を上回った。大河網が報じた。
○8割以上が「正確な南京大虐殺の発生時期を覚えていない」
19日付河南商報に、ある南京大虐殺の証言者が新聞社に手紙を送り、「私はこの歴史を決して忘れることはできない!」と訴えたことに関する記事が掲載された。だが、33歳以下(1980年代以降生まれ)の若者に対する調査の結果、回答者の8割は、「南京大虐殺が発生した時期をはっきりと覚えていない」と答えた。
大學職員の王氏は、「たしか冬だったと記憶しているが、何年に起こったのか分からない」と答えた。さらに、「歴史的事件は中國人にとって極めて大切な出來事だが、発生した時期までは正確に覚えていない。南京大虐殺の詳細については、それをテーマとした映畫を観て、多くのことを知った」と続けた。
○過半數は「映畫やテレビドラマで情報を知った」
「我々は、この事件が全中華民族にとっての災難であると認識し、心に刻みつけなければならない」という王氏のコメントと調査結果は一致しており、回答者のほぼ全員が、「南京大虐殺は全民族が受けた深い傷であり、決して忘れてはならない」と考えていた。
とはいえ、王氏と同様、歴史の詳細まで了解している人は少ない。歴史補助教材の編さんに攜わる孟氏は、「この仕事についていなければ、中國近代史に対してこれほど多く理解していなかっただろう。現行教科書では、南京大虐殺についてそれほどページを割いて記述されていない」と話した。
「記憶に関する調査」の結果も、孟氏の言い分が正しいことを裏づけている。「『南京、南京』や『金陵十三釵』の映畫で南京大虐殺のことを知った」と答えた人の割合が52.6%だったのに対し、「教科書で知った」とした人は39.2%、「『拉貝日記』や「南京暴行:忘れられた大虐殺』などの歴史書を自発的に読んで知った」はわずか8.2%だった。