中國の若者の間で「リアクション動畫」が人気に 理由は「仲間がすぐに見つかる」!?
林生さん(仮名)は、仕事が終わって帰宅するとスマホを手にし、ある外國のゲームブロガーが、大ヒットしている中國初の國産AAAゲーム「黒神話:悟空(Black Myth: Wukong)」で遊ぶ様子を視聴し始めた。そして、畫面に「勝利」という文字が表示されると、ゲームブロガーと林生さんは同時に、「やったー!」と喜んでいた。中國新聞社が報じた。
「90後(1990年代生まれ)」の林生さんは、あるメディア企業で働いており、普段、ゲームをする時間はほとんどないものの、「『黒神話:悟空』のリアクション動畫は見ている。このゲームを実際にプレイしたことはないけれど、ゲームブロガーがクリアしたところは見ているので、クリアしたようなものだ」と話す。
林生さんが言うところの「リアクション動畫」とは、人が何かに反応したり、評価したりする様子を映した動畫のことを指す。リアクション動畫の畫面は通常、2つに分かれていて、一方は反応の対象となっているものの映像、そしてもう一方は反応するブロガーが映る映像となっている。反応の対象となるものには、人気ドラマや映畫、音楽、ゲームなどがある。
まず、YouTubeといった海外の動畫共有サイトに登場したリアクション動畫は近年、中國の若者の間でも人気となっている。ソーシャルコマースプラットフォームの「小紅書」では、「リアクション動畫」という話題のクリック數が延べ1666萬回を超え、動畫サイト「bilibili」(ビリビリ)で最も人気となっているリアクション動畫の再生回數は延べ960萬回に達している。
「90後」の曾昭奇さんは、リアクション動畫がもたらしてくれる「自己肯定感」を重視しており、自分のお気に入りの作品のリアクション動畫を見て、「他の人がその作品をどのように稱賛しているかをチェックしている」という。
「95後(1995-99年生まれ)」の李亜楠さんは、ホラーゲームのリアクション動畫を好んで見ており、「自分一人だと怖いけど、動畫の中でブロガーと一緒ならそんなに怖くなくなる。リアクション動畫がもたらす誰かが一緒にいてくれる安心感が一番気に入っているところ」と話す。
実家から離れて、他の地域で一人暮らししている徐峰さん(仮名)は、「リアクション動畫は、『いつでも交流できる仲間』のようなもの。ドラマを一緒に見るためだけに、遠くから友達にわざわざ來てもらうことなどできない。でも、リアクション動畫は、オンラインで自分の感じたことをリアルタイムで共有できる仲間になってくれる」と話す。
リアクション動畫が登場したばかりの頃、そのブロガーは、蕓能人やネット有名人がメインだったものの、今はそこに加わる「素人」がどんどん増えている。大勢の「素人」のブロガーが加わったことで、リアクション動畫をめぐる「競爭の場」の細分化も進んでいる。
「心が通い合う友達を見つけるのは難しいけど、『リアクション動畫』ならすぐに見つかる」と話す徐峰さんは、現在もリアクション動畫を通して自分が共感でき、共鳴できる仲間探しに夢中だ。一方の林生さんは、「家族や友人と対面でドラマを見るほうが、どんなに素晴らしいリアクション動畫よりも楽しい。だから家族や友達と一緒に過ごせる機會がもっとあることを願っている」としている。(編集KN)
「人民網日本語版」2024年9月30日
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