國際市場では6月中?下旬以降、原油価格が低下傾向に転じ、市場全體として上半期に比べて目立って鈍化している狀況だ。大口商品取引情報を提供する金聯創の路喬恵?石油製品アナリストは、「國際市場の原油価格の影響を受けて、中國國內の石油製品の小売価格も大幅に下落している」と指摘した。中國新聞網が伝えた。
業界関係者は、「最近、國際市場の原油価格が持続的に低下していることにはさまざまな要因があり、米連邦準備制度理事會(FRB)の利上げやエネルギー消費の落ち込みといった要因があれば、石油の供給回復や地政學的な紛爭の緩和といった要因もある」との見方を示した。
中國エネルギー研究會の周大地常務副理事長は取材に対し、「実際には石油供給能力は減少していない。イランの核開発問題が徐々に解決に向かうにつれ、これまで地政學的な紛爭によって押さえ込まれてきた一部の生産能力が、回復する可能性もある」と述べた。
金聯創の韓政?原油アナリストの試算によると、イランの原油輸出に対する制裁が解除されれば、石油輸出國機構(OPEC)の生産量が2-3%増えるとみられる。原油の供給が目に見えて増加すれば、現在の持続的な供給不足の危機は大幅に緩和されるだろうという。
廈門(アモイ)大學中國エネルギー経済研究センターの林伯強センター長は取材に対し、「これまでロシア?ウクライナ紛爭で市場が原油の供給に懸念を抱いていたのとは異なり、最近の國際市場での原油価格低下の主な要因はFRBの利上げで、これが原油ニーズに対する市場の懸念を増大させた」と述べた。
周氏によれば、國際的なエネルギー消費の不振も最近の原油価格低下を後押しした重要な要因だ。現在、歐米の経済成長は楽観できない狀況で、このことがエネルギー消費の伸びを押さえ込みもした。この狀況の中、エネルギーは供給過剰の狀態が目立つという。
また歐米諸國はここ2年間には大量にお札を発行して新型コロナウイルス感染癥に対処してきたが、現在は非常に大きなインフレ圧力に直面している。周氏は、「インフレも先の原油価格上昇をもたらした主要因の1つだが、原因と結果は區別して考えなければならない。さきに別のアナリストが示した『原油価格の上昇がインフレをもたらした』という見方は正しくない」と述べた。(編集KS)
「人民網日本語版」2022年8月25日