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2014年9月9日  中秋切_3
 

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歴史を尊重して初めて國際法を語ることができる

人民網日本語版 2014年09月09日13:25

 中國の王毅外交部長(外相)はオーストラリア訪問中、南中國海問題について「4つの尊重」が必要だと述べた。「歴史上の事実の尊重」「國際法規の尊重」「當事國間の直接対話?協議の尊重」「南中國海の平和と安定の共同維持に向けた中國とASEANの努力の尊重」だ。(文:蘇暁暉?中國國際問題研究院國際戦略研究所副所長。人民日報海外版コラム「望海樓」掲載)

 これに先立ち王部長はすでに様々な場で南中國海紛爭解決の重要原則を繰り返し表明してきた。今回打ち出した「4つの尊重」は表面的に見ると新たな政策理念では決してないが、現在の情勢と結びつけると、南中國海問題における中國の立場と譲れぬ一線を読み取ることができる。

 「4つの尊重」を打ち出した大きな背景として、南中國海の島や礁および海洋権益をめぐる紛爭の國際問題化、司法問題化という顕著な趨勢がある。フィリピンは中國の領土主権についての國際仲裁を執拗に推し進めるとともに、米日など域外勢力を引き入れて中國を牽制している。域外勢力は自國の利益の観點から、個別の領有権主張國と調子を合わせ、南中國海問題に頻繁に干渉している。今年8月にフィリピンと米國はASEAN関連外相會議の機を借りて「三段階」構想や「自発的凍結」論をぶちあげ、ASEAN諸國の支持を取りつけようと愚かにももくろみ、「國際法に基づく」南中國海における行動規範の制定を強引に推し進めることで、中國?ASEAN関係を妨害し、対中圧力を強化しようとした。南中國海問題の國際問題化、司法問題化が中國の主権?権益を侵害していることは明らかだ。

 小さな背景として、「4つの尊重」が第2回中豪外交?戦略対話開催期間に打ち出されたことが挙げられる。オーストラリアは南中國海の領有権主張國でないにも関わらず、南中國海問題について無責任な発言をいくつかしたことがある。2012年の黃巖島(スカボロー礁)事件発生後、オーストラリア外相は中國漁船に対して軍艦を出動したフィリピンを非難しなかったばかりか、反対に中國に「國連海洋法條約を含む國際法に沿った海洋権の尊重」を求めた。今年6月に訪米したオーストラリア首相は「南中國海問題において中國は國際法を遵守すべき」との考えで米側と一致した。オーストラリア側のこうした立場や発言は、すでに南中國海問題の公正な解決に悪影響をもたらしている。

 こうした狀況を念頭に置き、今回中國外交部長は誤った見解を正すべくオーストラリアで「4つの尊重」を打ち出した。「4つの尊重」において「歴史事実の尊重」が最初に挙げられたのは決して偶然ではない。歴史上の事実は、領土主権を決定する重要な根拠だ。南中國海諸島及びその周辺海域に対する中國の領有権には十分な歴史的根拠、法理上の根拠がある。現在中國の臺灣では南中國海史料特別展が開催され、南中國海関連の様々な文書、地図、寫真が展示されている。大量の史料は、南中國海における中國の主権?権益に強固な基礎があり、現在の係爭が1970年代以降に一部の國が中國の南沙諸島の一部の島や礁を不法に侵奪?占拠したために生じたものであることを証明している。數十年間の侵奪?占拠で、長い歴史を抹殺することはできない。

 たとえ國際法でも、歴史上の事実を変えることはできない。「法の不遡及」、1982年採択の條約はそれ以前に生じた法的事実に対して拘束力を持たない。また、南中國海の歴史的経緯と事実が非常に明白であることに鑑み、中國は條約署名時に同條約第298條に基づき、島嶼の領有権、海洋境界の畫定に関わる仲裁は受け入れないとの聲明を書面で出している。従って、一部の領有権主張國や域外國が國連海洋法條約を根拠として持ち出すことのできる理由は全くない。ましてや中國はかねてより一貫して國際法と國際関係の準則の揺るぎない擁護者、実踐者であり、中國が國際ルールを「破壊している」といった主張がどこから出てくるのか。

 歴史上の事実の尊重を前提條件として初めて、當事國が交渉を効果的に行い、中國とASEANが南中國海の平和?安定を真にしっかりと維持することが可能になる。域外國および當事國は歴史上の事実の重要性を真に理解し、認識して、実情に即さない幻想を棄て、南中國海の平和?安定にプラスになることを多くすべきだ。(編集NA)

 「人民網日本語版」2014年9月9日

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