福島県で甲狀腺がんと診斷されている児童數が33人に達し、昨年11月の26人から7人増加した。福島県の児童の間で、なぜ甲狀腺がんが多発しているのだろうか?科技日報が伝えた。
甲狀腺がんと放射線量の間にはどのような関係があるのだろうか?放射線量の安全範囲は何ミリシーベルト以內なのだろうか?なぜ児童の方が発癥しやすいのだろうか?記者はこれらの疑問を巡り、このほど解放軍総病院第一付屬病院腫瘍一課主任、博士生指導員の肖文華氏と、北京大學第一醫院血液內科主任醫師の王文生氏を取材した。
◆放射線量と甲狀腺がんの密接な関係
肖氏は、「甲狀腺は人體で最大の內分泌腺だ。甲狀腺ホルモンは甲狀腺から分泌されるホルモンで、人體の正常な成長?発育を維持する非常に重要な要素だ。ヨウ素は甲狀腺ホルモンを分泌する上で必要な原料だ。ヨウ素の含有量と甲狀腺がんの間には、直接的な関連性がある」と指摘した。
肖氏は、放射線量と甲狀腺がんの高い関連性について、「甲狀腺は放射線に直接さらされるが、これは重要な要因だ。それから甲狀腺がんは幼児期に接觸した放射線量と関連しており、接觸した年齢が早いほどがんの発癥率が高まり、発癥する年齢が低くなる。日本の放射能汚染は、児童に大量の放射線を浴びせた特殊な例だ」と語った。
◆ヨウ素131が原因か
王氏は、「福島の甲狀腺がんの発癥率が上昇しているのは、原発の放射能汚染により、ヨウ素131という大量の放射性物質が出たためかもしれない。これはヨウ素の放射性同位體で、甲狀腺はこれを吸収すると損傷を受ける。放射線をどれほど浴びればがんになるかについては具體的な數値がないが、醫學界では浴びる量が増えるほど危険性が高まるとされている。甲狀腺ホルモンは成長?発育の維持、代謝促進などの多くの重要な機能を持つ。甲狀腺はヨウ素を利用し、甲狀腺ホルモンを生成する。ゆえにヨウ素131が甲狀腺ホルモンの原料として甲狀腺に吸収された場合、発生する放射線が甲狀腺の細胞の染色體を傷つけ、深刻な場合は染色體の斷裂を引き起こす。人體には染色體の自己修復能力が備わっているが、修復の中でミスが発生した場合、正常な細胞が悪性の細胞に変わり、甲狀腺がんの原因になる。甲狀腺上の皮膚の細胞が悪性腫瘍に変化した場合、甲狀腺がんと呼ばれる。甲狀腺のリンパ節の細胞が悪性腫瘍に変化した場合は、甲狀腺リンパがんと呼ばれる」と説明した。