○準備不足のまま就活に突入 留學先校の卒業を延期
「これ以上ぐずぐずしてはいられない!一刻も早く論文審査を受けて帰國し、仕事を探さないと!」---スウェーデンの大學院でマネジメント學を専攻していた李さんは、昨年の夏に卒業したが、論文審査を受ける時期を自ら延期し、半年あまりの間、「大學院3年生」の身分をずるずると続けていた。人民日報海外版が伝えた。
今、李さんは學生寮の狹い一室で友人と生活している。キッチンは、同フロアの寮生10數人と共有だ。卒業を半年あまり延長した李さんは、外國語のレベルアップを図り、専門を活かせるアルバイトに就いて、帰國後の就活に向けて準備を進めている?!笢蕚浃颏工欷肖工欷郅伞ⅳ蓼坤蓼啦皇证趣い莩证沥激?。留學して2年あまり、國內の就業需要に関してはほとんど疎くなってしまった」と李さんはこぼす。
留學仲間が李さんをしきりに慰めてくれるが、彼らの誰もが、「明日は我が身」と心の中で思っている。友人のひとりである胡さんは、「2年間の留學期間を、少しでも延長したいと切望している。帰國後、かつて一緒に學んでいた優等生たちと就職戦線という舞臺で堂々と勝負するための準備は、実は全くできていない」と打ち明けた。
○さまざまな心理的負擔を擔う留學帰國組 國內での就業は前途多難
海外からの留學帰國組は、帰國後、自分自身にとって「史上最も厳しい就職シーズン」を迎えることになる。同じ飛行機に乗って中國に戻る同年齢の乗客のうち、約半分が自分のライバルであることはもちろん、當然母國には、國內の大學を卒業した膨大な數のライバルがいる。このような狀況によって、すでに重量制限をオーバーしているスーツケースも、さらに重たく感じられる。
中國教育部(省)の統計データによると、2014年の大學卒業生數は727萬人に達する見込み。また、海外留學生帰國サービス部が発表したデータによると、海外での留學を終えて帰國する人の數は、この5年ほど増加を続けており、累計約80萬人に達した。このうち2012年の帰國者は27萬2900人と、増加の一途をたどっている。教育部留學サービスセンターは、今後5年以內に、帰國者數が出國者數を上回るという歴史的転換點を迎えると予測している。
留學申請からあっという間に卒業シーズンを迎え、「1、2年間の留學で數十萬元を費やし、私は海の向こうで一體何を學んだのだろうか?」と自問する人はますます増えている。異國文化で身に付けた感覚や収穫を、どうすれば企業にアピールする力に変えることができるのだろうか?有名校で鍛えられたラーニング?メソッドが、実社會で求められる仕事のやり方に応用できるのだろうか?
「國際人材青書」のデータによると、ヒートアップを続ける留學ブームは、留學生の低年齢化という風潮を巻き起こすと同時に、若い留學生の質的向上を招いた。留學帰國組の中には、就職戦線の攻防戦で不利な立場に立ち、就活のタイミングを間違え、新卒生という強みを失い、家で「長期戦の構えで機が熟するのを待つ」人も少なくない。初期の留學帰國組や年齢層の高い帰國組と異なり、低年齢化した「若い帰國組」は、人生経験に乏しく、「象牙の塔」の外にある社會競爭の渦中で、弱さや惑いを露呈してしまう。
○メンタル強化が、就職戦線に踏み出す第一歩
同じくスウェーデンの大學院で學ぶ毛さんは、春節(舊正月。今年は1月31日)前、慌ただしく故郷の河南省開封市に戻った。3月に上海で就職活動を行う予定の彼は、元宵節(2月14日)が過ぎた頃、履歴書を用意しはじめた?!干虾¥摔暇吐殼违隶悭螗工啶い?、競爭も激しい。それでも僕は、背水の陣で臨む覚悟で、就業地に上海を選んだ」と毛さんは述べた。
以前のメディア調査によると、留學帰國組が選んだ就職地は、相変わらず、「北京?上海?広州」や沿海の省?市に集中している。調査対象者が就業先として選んだ主な都市は、北京(41.6%)、上海(14.2%)、広州(8.7%)だった。
専門家は、このような狀況について、次の通り指摘した。
帰國した海外留學組が、就業圧力に直面して、メンタル面での問題が発生した実例は、今のところ多くはない。だが、留學帰國者が増加し、求職者が集中し、就業市場での競爭が激しくなるにつれて、彼らのメンタル面に対する配慮や重視が求められる。留學帰國組は、現在の就職情勢を早くから知るよう努め、自分のセールスポイントを把握し、落ち著いた心で就活に臨む必要がある。また、ライバルとむやみやたらに張り合うことや焦りは禁物だ。ストレスを調整し、メンタル強化に努めることが、就職戦線に踏み出す上での重要な第一歩となる。(編集KM)
「人民網日本語版」2014年2月20日