中國科學技術大、木の葉のように変色する新材料を開発
中國科學技術大學が15日に明らかにしたところによると、同大學の工程科學學院の研究チームは生物模倣の考えに基づき新型ハイパースペクトル変色材料を開発した。同材料は落ち葉が緑色から黃色に変色する現象を模倣できる上、その両方の色で葉の太陽スペクトルの反射の特徴を再現できる。これに関連する研究成果はこのほど、材料分野の學術誌にオンライン掲載された。科技日報が伝えた。
自然界における葉の色の変化の特徴は、葉肉細胞內の色素の含有量の変化と関連している。細胞內の葉緑體の含有量が多いとその他の色の色素を覆い隠し、葉が緑色になる。葉緑體が外界の環境の変化により分解されると、細胞內のカロチンなどその他の色素の色が現れ、葉が黃色か赤色になる。
研究チームはそこからインスピレーションを得て、緑色動的顔料と黃色靜的顔料を複合させた変色モデルを打ち出した。この生物模倣の考えに基づき、研究チームは熱により変色するマイクロカプセル顔料とチタンクロム黃色顔料を複合し、溶液流延法によりポリ塩化ビニルを基材とする変色バイオミメティック材料を生成した。同材料の色変化は外部からの溫度の刺激により切り替えられる上、雙安定性を持つ。2つの色とも通常の屋外環境において安定的に存在できる。
変色という現象の実現を踏まえた上で、研究チームはさらに粒子系放射線伝送モデル材料の顔料粒子の調合比率を強化し、葉肉細胞の積層構造の入射放射線に対する散亂プロセスを模倣することで、本物の葉と一致する近赤外線高反射の特徴を形成する。親水性を持つ基材によりバイオミメティック材料に空気中の水分を吸収させ、葉の水吸収の特徴を模倣する。またバイオミメティック材料は環境中の濕度の変動に応じて水分の吸著と脫離を行い、葉の水分輸送による溫度調節を模倣し、自然界の葉の赤外線の特徴と一致する。
研究者によると、同研究は落葉植物のハイパースペクトル変色の模倣を実現し、工學分野で広い応用の見通しがあるという。(編集YF)
「人民網日本語版」2023年11月16日
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